マルジェラが育ったのは裕福な家庭ではなかったために、学生時代に古布や身の回りにある物を使って衣服を制作したことから、「メゾン マルタン マルジェラ」のコンセプトが生まれた。デビュー当初はフランスの「リベラシオン(LIBERATION)」紙や仏「ヴォーグ(VOGUE)」誌に「ピュアな貧乏主義」「浮浪者風の作風」と評されたという。そんなアバンギャルドなデザイナーが、ラグジュアリーブランド、「エルメス」のクリエイティブ・ディレクターに就任したニュースは、当時の人々に衝撃を与えた。この就任劇は、マルジェラのショーで何度かモデルとして起用された、サンドリーヌ・デュマ(Sandrine Dumas)が、父で当時エルメスのCEOだったジャン・ルイ・デュマ(Jean Louis Dumas)にマルジェラを紹介したことがきっかけだという。「両者は対極のように見えたが、互いに持つラグジュアリーの意義が“永遠性”であることと、『エルメス』に対するビジョンがすぐに合致した」と振り返った。
”ヴァルーズ”デザイン 左「メゾン マルタン マルジェラ」1996-97年秋冬コレクション、右「エルメス」1998-99年秋冬コレクション PHOTO BY ANDERS ERDSTROM Studio des Fleurs”ヴァルーズ”デザイン「エルメス」1998-99年秋冬コレクション PHOTO BY JOHN MIDGLEY3種類の方法で着られるトレンチコート「エルメス」2003年春夏コレクション6つの穴を作ったボタン「エルメス」1999年春夏コレクション、ドゥブル トゥール PHOTO BY SERGE GUERAND「エルメス」1999年春夏コレクション PHOTO BY SERGE GUERANDノーカラージャケット「エルメス」2001-02年秋冬コレクション PHOTO BY SANY DEDEREN左 「メゾン・マルタン・マルジェラ」 1994-95年秋冬コレクション 、右「エルメス」1999-2000年秋冬コレクション、右「エルメス」2002-03年秋冬コレクション、左「メゾン マルタン マルジェラ」1991-92年秋冬コレクション PHOTO BY MARINA FAUST展示会場
2月2月号の「WWDJAPAN」では、1月の2026-27年秋冬メンズ・ファッション・ウイークを速報します。当号では“BUILT TO LAST 時代を超えて、愛される服 ”というタグラインを掲げ、単なる流行の消費ではなく、着る人の人生に寄り添い、時間の経過とともに価値を深めていく服のあり方について考えます。最大のトピックスは、37年にわたり「エルメス」のメンズを牽引してきたヴェロニク・ニシャニア…