コレクション

「アンリアレイジ」2014年春夏東京・コレクション

5秒間で変容するサイズレスな服

 スイッチを押すと、フォルムを変えて縮む服。ロングドレスがミニドレスに、さらにドレスがジャケットに変容する。デザイナーの森永邦彦は「人の体形はS、M、L、XLなど、最大でも10分割にわかれている。これは暴力的だと思った。180㎝や140㎝の女性が、共通して着用できる服を制作したかった」と語る。ロープ状の糸をウエストや胸元に縫い込み、モーターで巻き取る仕組みだった。ショーでは、電動で巻き取る仕様だったが、販売ベースではダイヤルで引っ張る手動に変わるという。ドレープやギャザーを寄せることで、立体的なドレスやジャケットに変化する。不思議なのは、さまざまなモデルの体にフィットしていたこと。生地の分量感やドレープの寄せ方など、計算された縮み方を探求したのだろう。「女性は微妙なサイズ感覚で、服を選んでいる。制作側が決めたサイズ概念を超えたらどうなるか。僕は体に寄り添う服を作りたかった」と森永。ひと言で表現するならば、大小のサイズ概念や境界を取り払ったコレクション。

 2013-14年秋冬シーズンには、光を当てることで色が変わるドレスを披露したが、カラーを探求したことで、今度はサイズの概念に迫ったという。ショーの前半は、インナーとアウターを逆転させたスタイリングを発表し、ショートダッフルやライダースジャケットをアクセントにしたコレクションも打ち出している。透けるニットやオーガンジーを使い、素材自体は、決して奇をてらったものではない。しかし、発想の転換でインパクトの強い内容へ高めた。目立たなかったが、シューズもダイヤル調整により、サイズレスな提案になっている。