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「アジアには実店舗が不可欠」 再上陸の「チャールズ&キース」が狙う“ローカライズ”戦略

 シンガポール発のシューズ&バッグブランド「チャールズ&キース(CHARLES & KEITH)」は2012年、オンワードホールディングス(以下、オンワード)との共同出資でチャールズ&キースジャパン(オンワード51%、本国資本49%)を設立し、13年4月には原宿に旗艦店をオープンした。一時国内で14店舗を経営するも、ビジネスモデルが本革志向の顧客層とかみ合わなかったとして16年末に国内事業から撤退。そして、わずか4カ月後の17年4月にECのみの再上陸を遂げた。復活からまもなく1年を迎える同社はどこに商機を見出し、EC専売という道を選んだのか。グローバルでブランド戦略企画を担当するエマニュエル・メイス・ドリスキル(Emmanuelle Mace-Driskill)=プロダクト&ストラテジックプランニング担当エグゼクティブ・ディレクターに話を聞いた。

WWD:あらためて、「チャールズ&キース」というブランドのコンセプトは?

エマニュエル・メイス・ドリスキル=プロダクト&ストラテジックプランニング担当エグゼクティブ・ディレクター(以下、エマニュエル):ブランドのキーワードは「モダン(modern)」「エクスペリメンタル(experimental )」「キュレーション(curation)」「ディザイラブル(desirable)」の4つ。時代に即して変化しながら、トレンドを取り入れつつ、女性が求めるものを提供したいと思う。

WWD:ブランドのターゲットは?

エマニュエル:都会のスタイリッシュな女性。これはグローバルで変わらない。日本人は小柄だったり、通勤で歩く距離が長かったりと、現地ならではの特徴があるので、アイテムもローカルに即したものを用意したい。

WWD:グローバルでの展開数は?

エマニュエル:35カ国に564店舗を出店している。店舗はなく公式サイトだけを展開しているのは41カ国だ。本国の直轄で運営しているのはシンガポールをはじめ日本、台湾、韓国。イギリスでもまもなく出店を予定している。その他の国はフランチャイズの運営だ。従業員はグローバルで5000人。日本ではまだ5人だが、今後拡大をしたいと考えている。

WWD:16年末に、日本から撤退した原因は何だったのか?

エマニュエル:(51%の株を保有していた)オンワードとはもはや“夫婦”のような関係で、一つ一つの決定に対して“伴侶”の納得を得なければならなかった。具体的なグローバル戦略を練る中で、意思決定を含めて、日本市場は本国主導でやっていきたいということになった。特にオムニチャネルでの成長を考えた時、店舗もオンラインストアも自分たちでコントロールできる形態をとりたいと考えた。もちろん日本のことを深く知っている企業として、非常に良好な関係を築けていた。

WWD:その後、ECのみでの再上陸を決めた理由は?

エマニュエル:デジタル世代をターゲットにする以上、顧客データを取得できる、つまり、顧客について理解できるオンラインの重要性が非常に高いと考えた。

WWD:ECサイトのサービスプロバイダーにロコンドを選んだ理由は?

エマニュエル:ロコンドとは以前からパートナーの1社として関わってきた。ジョイントベンチャーを解消した時に、これまで物流や倉庫といった分野で支援をしてくれていた経緯もあり、現在もECサイトのプラットフォームや物流倉庫での在庫管理などを依頼している形だ。

WWD:新体制になって1年近くが経過したが、どのような手応えを感じているか。

エマニュエル:安定した成長を実感している。もちろん、実店舗の準備も進めているし、3〜4年先の戦略策定も行っている。日本の顧客は質やサービス、パッケージなどにおいて求めるものが独特で、他の国の戦略は全く当てはまらない。日本に進出する以上、日本人のニーズに応えられるようなブランドになりたいと思う。

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