ビジネス

「デジタルIQ」ランキング発表 首位は「バーバリー」「カルティエ」

 リサーチ会社L2が実施した、ファッション・ウオッチ&ジュエリー100企業の中国におけるデジタル運用能力の調査「デジタルIQ インデックス」で、「バーバリー(BURBERRY)」と「カルティエ(CARTIER)」が首位を獲得した。2ブランドに共通するのは、セレブリティーとの強固なパートナーシップ、中国最大級のメッセンジャー・通話アプリ「ウィーチャット」の効果的な活用、そしてリアルタイムでのショッピングやオムニチャネル経験の提供だ。

 「バーバリー」の評価ポイントは、過去に2度の中国人顧客に向けた“シーナウバイナウ”(すぐ買える)コレクションの開催方法と、セレブリティーとの賢いパートナーシップにある。同ブランドはすぐに買えるオンシーズンの商品の発表を2016-17年秋冬コレクションにスタート。同時に、メッセンジャー・通話アプリの「ウィーチャット」限定のバッグを販売した。さらに2月に開催した2017-18年秋冬コレクションのショーには、“中国のジャスティン・ビーバー”と呼ばれる俳優のクリス・ウー(Kris Wu)と、女優のチョウ・ドンユイ(Zhou Dongyu)を招待。5月には、ブロガーのミスターバッグス(Mr. Bags)とタッグを組み、「ウィーチャット」限定のハンドバッグを販売した。

 一方の「カルティエ」は、2月6〜14日のバレンタインデーのキャンペーンで他のラグジュアリーブランドと一線を画すオムニチャネルを駆使した施策が評価された。同キャンペーンは、150個限定でピンクゴールドのブレスレットを販売し、早期受注分88個のうち、受取人が中国の25都市内に位置しているという条件付きで、“カルティエボーイズ”が歌を歌いながら商品を直接届けるというもの。残りの受注分にも赤いバラをギフトとして添えた。ブレスレットは1週間以内に完売し、購入者が“カルティエボーイズ”の写真をソーシャルメディアに投稿したことで話題性にもつながった。同ブランドはキャンペーン期間中、16年5月の「ウィーチャット」出店以来、一日の売上高の最高記録を達成した。

 2ブランドに次いで上位にランクインした「コーチ(COACH)」は、16年9月に中国大手ECサイト、JD.comから撤退した。最近はブランドがTモールやJD.comなどのオンラインショッピングモールへの出店を必ずしも必要であると考えておらず、自社ECでのオペレーションが増加。TモールやJD.comへの出店の勢いが衰えており、Tモールのプラットフォームにファッションブランドはわずか21%しか残っていないという。

 この他、「ウィーチャット」でのフラッシュセールやライブストリーミングを活用した「ディオール(DIOR)」、中国国内で最も影響力が高いとみられるクリス・ウーをアンバサダーに迎えた「ブルガリ(BULGARI)」などが上位にランクインした。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

“個”が主役の百貨店特集2024【WWDJAPAN BEAUTY付録:2023年度世界のビューティ企業TOP100】

7月22日号の「WWDJAPAN」は百貨店特集。 個人の価値観が多様化し、コロナを経てオンライン消費がますます浸透しました。百貨店という業態の存在意義すら問われる中、それでも人が集まる店の条件とは何か。決め手は、品ぞろえでも立地でもなく、情熱と個性を持った“人”の存在。百貨店が元々持っていた強みに光を当てたり、その枠を超えて新分野を開拓したりと、編集力やアイデアを駆使して売り場を面白くしようとする…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。