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デジタルは、売る道具じゃない【アパレル再成長の条件 vol.3】

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人口減少と需要の成熟、原材料や人件費の高騰、さらには消費やモノに対する価値観の変化—日本のアパレル業界は今、複合的な難局に直面している。こうした状況を打開するヒントを探るべく、デジタル戦略のエキスパートで、アパレル企業の変革支援を行う藤原義昭300Bridge代表取締役による連載(全5回)を届ける。本当に原因は外部環境なのか?第3回はデジタルに対する“思い込み”に迫る。。(この記事は「WWDJAPAN」2026年6月1日号からの抜粋です)

ECサイトの売り上げが伸び悩むと、社内会議ですぐに出てくる言葉があるのではないでしょうか。「デジタルを強化しよう」。サイトをリニューアルする、広告予算を増やす、新しいSNSアカウントを始める、リプラットフォームに踏み切る。動きそのものは正しく見えるかもしれません。しかし、結果は同じパターンをたどることが多いのです。新規流入は増える、F2(2回目の購入)転換率は変わらない、広告費が膨らむ、ROI(投資収益率)が悪化する、さらに広告を打つ。なぜこのループから抜けられないのでしょうか。

理由は、デジタルの捉え方そのものにあります。多くの経営は、デジタルを「売るための新しい棚」と捉えています。販売チャネルである以上、評価は売り上げとコンバージョン率で測られる。そして売り上げが伸びないとき、解は常に「もっと売る」になります。新規獲得広告を増やす、サイトをリニューアルする、プッシュ通知の頻度を上げる。どれも「もっと売る」です。

複数の企業を見てきましたが、同じことをやっていることが多いようです。デジタルを「棚」と見ている限り、起きるのは棚の取り合いです。自社EC、外部モール、実店舗など、どの面でも同じ商品が並び、最後は価格と在庫で勝負することになる。顧客がどこから来て、どのように関係を続けてくれるか。それは棚の話ではありません。

「DX」は「Dの導入」で止まっていないか

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