
ミニマル&ドレッシーなムードが中心のニューヨーク・ファッション・ウイークにあって、異質な存在感を放つ2つのブランドがある。アニメなどのジャパニーズカルチャーを取り込みながら独自の“KAWAII”路線を貫く「サンディー リアン(SANDY LIANG)」、そして社会への反抗や意思の意思を凝ったクラフトで表現する「コリーナ ストラーダ(COLLINA STRADA)」だ。Z世代を巻き込む両者は、2026-27年秋冬ショーの来場者のスタイルもエッジィな個性や意思が際立っていた。
「サンディー リアン」は
キャンディーカラーで春を呼ぶ
「サンディー リアン」の“KAWAII”を追求したスタイルは今季もブレることなく、会場の外でも「サンディ リアン」を体現する来場者たちで賑わった。来場者の装いは、すでに春を待ちわびているかのような淡いピンクやブルー、グリーンといったパステルカラーが目立つ。リボンを中心に、フリルやレース、ボリューム感のあるシルエットを取り入れたスタイリングで、ブランドらしい“甘さ”を軽やかに表現していた。引き続き足元はバレエシューズ率も高かった。
Z世代を中心に広がった「サンディー リアン」の“KAWAII”スタイルは、今では世代を超えて支持されるほどに浸透している。コレクションが週末に開催されたこともあり、会場にはおしゃれなキッズの姿もちらほら。ラッパーのポストマローンもブランドロゴの入ったTシャツを着て登場。大人も子どもも思い思いに“KAWAII”を楽しむ姿が見られ、甘さを取り入れた装いの新たなヒントを感じさせる場外スナップとなった。
「コリーナ ストラーダ」は
不法移民取り締まりに抗議
社会の分断や政治的緊張など、混沌とした空気に包まれる米国。「コリーナ ストラーダ(COLLINA STRADA)」デザイナーのコリーナ・ストラーダには、NYFWのシーズンがやってくる度に、「今回も何かやってくれるのでは?」という期待が常に寄せられている。
今季は、不法移民の取り締まりを強化する米国移民・税関捜査局(ICE)への抗議を、ユーモアや比喩を交えながらコレクションに落とし込んだ。会場の外でもそのムードは広がり、来場者の中には「ICE OUT(ICEは出ていけ)」と書かれたバッジをアクセサリーのように身につけ、スタイリングのアクセントとして取り入れる姿も見られた。このバッジはストラダのショールームでも配布されていたという。
来場者の装いは、DIY感覚を取り入れた個性豊かなスタイルが目立った。ヴィンテージやリサイクル生地を用いたチェック柄や、グラフィカルなパターンをユニークなフォルムで仕立てたアイテムなど、ブランドの精神を思わせる自由なスタイリングが多く見られる。さらに、パステルカラーを取り入れた装いも多く、厳しい寒さが続くニューヨークの街に、どこか軽やかで温かなムードをもたらしていた。