アトモスの創業者・本明秀文さんの独自の目線と経験から、商売のヒントを探る連載。毎晩テレビに釘付けになった世界陸上が終わった。スポーツメーカーによるポップアップやグループランなど、ランニングシューズの存在感はかつてないほどに高まっている。一方その裏では、美容観の変化や「ラブブ」人気の失速といった消費トレンドの揺らぎも感じた秋の夜長。走る、人に見られる、買う……すべては“本能”と隣り合わせなのかもしれない。今回は最近気になったあれこれの話。(この記事は「WWDJAPAN」2025年9月29日号からの抜粋です)
本明秀文(以下、本明):「世界陸上」は盛り上がったね。大会期間中は、各スポーツメーカーがブランド体験型のポップアップスペースを設けたりイベントを開催したり、毎晩どこかでメーカー主催のグループランも行われていた。これまでは「世界陸上」といっても、ここまでランニングシューズにフォーカスされることはなかった。僕の記憶では、店でいつも通り“ジョーダン”を売っていたくらい。これまでにないぐらいランニングが盛り上がっている。東京開催というのも大きいけど、最近は韓国でも夜に走っている人をよく見るし、アメリカやヨーロッパに比べて遅れていたアジアでも、ランカルチャーが広がってきていると感じるね。
──陸上競技って面白いですよね。どれだけ速く、高く、遠くへ行けるか。人類の限界への挑戦は感動します。
本明:そうだよね。でも意外と陸上競技もお金がかかるらしいよ。特に駅伝みたいに人数が必要な競技になると、なおさら。箱根駅伝なんて、20キロ走れる選手を10人そろえないといけないから、やっぱり青学(青山学院大学)が強いじゃない。原監督自身も表に出て稼いでるし、チームの年間予算が数億円あると聞く。
──寮や遠征のサポートがあると全国から上京しやすいし、バイトしなくて済むとか、競技に集中できる環境もいいんでしょうね。
本明:僕たちが子どもの頃は、スポーツって楽しければOKみたいな感じだったけどね。夏の甲子園も沖縄尚学の優勝は素晴らしかったけど、一方で広陵の暴力問題は、まだ尾を引いている。勝たなきゃいけないっていうプレッシャーもすごいんだろうけど。
──僕も一応、スポーツ強豪校出身なので、なんとなく雰囲気は分かります。暴力がいいとは思わないですけど、技術やテクノロジーではどうにもならない領域があるのも確かなので。
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