
ロート製薬は、2026年3月期連結の業績予想を8月に続き再度上方修正した。修正後の予想値は、売上高が3385億円(修正前は3345億円)、営業利益が395億円(同390億円)、経常利益が440億円(同430億円)を見込む。日本、米国、アジアの全地域で想定を上回る推移を見せており、売上高・経常利益・純利益のいずれも過去最高を更新する見通しだ。
4〜9月期は、売上高が前年同期比18.1%増の1642億円、営業利益が同8.6%増の193億円、経常利益が同32.4%増の246億円、純利益が同36.6%の176億円だった。全地域で増収を達成し、とりわけアジアと欧州がけん引した。研究開発費の減少も寄与し、増益となった。
セグメント別では、日本の売上高は同2.6%増の835億円、営業利益(セグメン利益)は12%増の110億円だった。プランパーを採用したリップクリームや「肌ラボ」、サプリメントの「ロートV5」、ヘアマスク「ギュット(GYUTTO)」などの好調が続いた。
アジアは、売上高が同51.3%増の573億円、営業利益が同18.3%増の71億円と大幅増を記録した。ベトナム、インドネシアを中心に東南アジアで販売が拡大。ミャンマーでは輸入ライセンス取得により生産が再開されたほか、ユーヤンサン・インターナショナルの連結効果も加わり、業績に寄与した。製品では「肌ラボ」、「アクネス」、フケ抑制シャンプー「セルサン」目薬などが伸びを支えた。
欧州は、売上高が同43.7%増の115億円、営業利益が同58.2%減の2億円だった。ポーランドのグループ会社ダクス・コスメティクスが展開する「パーフェクタ(PERFECTA)」や「ハダラボ トーキョー(HADALABO TOKYO)」が堅調に推移した。21年から進めている目薬市場の開拓も奏功し、“ロート ドライエイド”が拡販した。しかし英国では、消炎鎮痛剤の容器供給業者の倒産による生産量低下と代替業者のコスト上昇が響き減益となった。
米国は、売上高が同0.6%増の101億円、営業利益が35.1%減の4億円だった。「肌ラボ」がブラジル市場で健闘した一方で販売費・一般管理費の増加が響き、減益となった。
「オバジ」商標を自社保有に
国内全チャネルで展開
ロート製薬は13日付で、ウォールデンキャスト傘下のオバジ コスメシューティカル(以下、オバジ社)から、日本のおける「オバジ(OBAGI)」関連の商標権を取得した。取得金額は約124億円。日本における商標権のほか、全販売チャネルにおける永久的なライセンス権および販売権を取得した。
これまで同社は、オバジ社にロイヤリティを支払いながらコンシューマーチャネル(ドラッグストア・量販店など)で自社開発の「オバジ」製品を販売してきた。今回の商標取得により、新規市場となる美容クリニックやエステサロンといったプロフェッショナルチャネルへの展開が可能となる。今後は国内における「オバジ」ブランドのさらなる強化・拡大を図る方針だ。
「オバジ」は米ロサンゼルスの皮膚科医ゼイン・オバジ氏が提唱した「SHR理論(肌本来の力を生かし健康的な素肌を目指す理論)」をもとに、ロート製薬が日本人の肌に合わせて改良を重ね、2001年から日本で販売している。