ロート製薬の2025年3月期連結決算は、売上高が前期比14%増の3086億円と過去最高を更新した。スキンケア関連が4期連続で拡大したほか、訪日外国人客需要の高まりや円安も追い風となった。一方、原価率の上昇や研究開発費、人件費の増加が利益を圧迫し、営業利益は2.8%減の389億円、経常利益は4.7%減の404億円となった。純利益は0.2%増の310億円と微増にとどまった。
セグメント別では、主力のスキンケア関連が同7.7%増の1904億円だった。ドラッグストア市場で高いシェアを持つ「肌ラボ」と「メラノCC」に加え、「メンソレータム(MENTHOLATUM)」の“リップフォンデュ”やヘアケア「ギュット(GYUTTO)」などの新製品、日焼け止めなどが寄与した。アイケア関連は同4.4%増の557億円、内服関連は59.7%増の493億円、その他が34%増の130億円だった。
地域別では、全体の約半数を占める日本の売上高が同5.2%増の1649億円だった。訪日外国人客による購買が過去最高を更新し、目薬やスキンケア製品がけん引した。しかし、研究開発費や人件費の増加が響き、営業利益は8.1%減の224億円と減益となった。
全体の3割を占めるアジア地域では、ベトナムやインドネシアなどの東南アジアが好調に推移し、売上高が同27.4%増の1003億円、営業利益が同2.2%増の122億円だった。「肌ラボ」のほか、フケ抑制シャンプー「セルサン(SELSUN)」や「アクネス(ACNES)」がけん引した。アメリカ、ヨーロッパでも増収増益となった。
26年3月期は、国内外で個人消費の慎重な姿勢が続くと見込みつつも、企業間連携などにより新たな成長を図る。通期の業績予想は、売上高が同8.4%増の3345億円、営業利益が同0.2%増の390億円、経常利益が同0.2%増の405億円、純利益が同0.3%増の311億円を見込む。