ファッション

デムナの美意識を「グッチ」のアイコンに“全部のせ” “ラ ファミリア”コレクションのアクセサリー26選【26年春夏 新デザイナーの初コレクションVol.3】

デムナ(Demna)新アーティスティック・ディレクターが初めて手掛けた「グッチ(GUCCI)」の“ラ ファミリア(La Famiglia)”コレクションは、アクセサリーからも、「グッチ」のアイコンとデムナの美意識がうまく融合したことが見て取れる。

例えばアイコンバッグの“ジャッキー”は、1つ1つにダメージ加工を施したり、長く使い込んだ雰囲気を出すために柔らかな素材で仕上げたり。ダメージやビンテージ加工は“ホースビット”のローファーのほか、“GG”や“ウェブストライプ”などを用いたスニーカーにも及び、「気取らない余裕と計算された無頓着さ」と解釈するイタリア流のエフォートレスなエレガンス「スプレッツァトゥーラ(sprezzatura)」や、“ラ ファミリア”コレクションで表現した37のキャラクターの個性と美意識を感じさせる。後者の考え方は、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」時代でも顕著だったものだ。

“バンブー”バッグなどは、ボルドーやブラックなどの色合いで表現。イヤリングなどは、総じて大ぶりかつ煌びやかだ。リングには“クレスト”のモチーフをのせている。アクセサリーも含め、「バレンシアガ」では創業デザイナーの個性的なシルエットを現代的なストリートのスタイルで再現したが、「グッチ」では(少なくとも今回のコレクションでは)ブランドの世界観の中で自身のデザイン哲学を盛り込んでいこうという姿勢が見て取れる。

“ラ ファミリア”コレクションについては、例えば上のリンクのLOOK2、赤いコートが50万円台、バッグもこれまでの値段と大差ないらしく、これまで価格を上げ続けてきた業界の潮流が変化していることを「グッチ」も体現している印象だ。業界関係者によれば、青山店で発売した“ラ ファミリア”コレクションは、顧客からの反応も上々という。今後デムナのファンが来店・購入すれば、「グッチ」再起のきっかけとなるかもしれない。

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