
専門店チェーン、セレクトショップの2025年6月度売上高(既存店ベース)は、高気温に支えられて夏物の動きが好調だった。休日が前年に対し1日少なかった中でも、前年実績を超えたという声が中心だ。梅雨が飛んでしまったような気候には、「想定よりも夏が早い」という戸惑いの声も聞かれる。
国内ユニクロの売上高は前年同月比6.4%増。昨年同月が同14.9%増と発射台が高かったにも関わらず、「月を通して平年以上の気温が続き、エアリズムインナーや感動パンツ、UVカットパーカ、ブラトップ、Tシャツなど、CMで訴求している夏のコア商品が軒並み好調だった」。サングラスや男性も使える日傘、UVカットフェイスカバーなど、盛夏向け商材も早くも動いている。
良品計画の「無印良品」は同7.1%増。「機能性インナーと夏物がけん引した」(発表資料から)という衣服・雑貨カテゴリーに限れば、同9.5%増とさらに好調だった。既存店売り上げが前年実績を超えるのは、これで17カ月連続となった。
しまむらグループの「ファッションセンターしまむら」は同2.6%増。5月21日〜6月20日での集計のため、5月下旬の気温低下の影響も受けている。「期間最終週に気温が上昇したことで、婦人のアウター衣料、機能性インナー、冷感機能の敷きパッドや寝具などが好調だった」(発表資料から)。
ユナイテッドアローズは同9.3%増で、「シャツ、カットソーなどの軽衣料に加え、ジャケット、パンツなどのきれいめアイテム、シューズ、バッグなどが満遍なく好調だった」(発表資料から)。
アダストリアは同0.2%減とややさえない結果。5月は同4.2%増だったものの、4月も同5.0%減と前年を割り込んでおり、3月以降の今期累計では同0.8%増とかろうじて前年を上回っている。「月初の夏物の動き出しが鈍かったが、月後半は気温上昇に伴い堅調に推移した」(発表資料から)。