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「ルイ・ヴィトン」が米国で約4%の値上げ 日本でも3%の値上げを実施か

米投資銀行バーンスタイン(BERNSTEIN)と英投資銀行バークレイズ(BARCLAYS)のラグジュアリーセクター担当アナリストらによれば、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が米国で約4%の値上げをしたようだ。

これは主にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領政権による関税の引き上げに対応するためと推測されるが、「ルイ・ヴィトン」は例年この時期に価格改定を行っている。バークレイズのキャロル・マジョ(Carole Madjo)=アナリストの調査によれば、今回はフランスで2%、日本でも3%の値上げをしているという。また、商品により値上げ幅が異なっており、“ネオノエ(NeoNoe)”は米国の公式オンラインストアで7%以上の値上げとなっていたが、“ツイスト(Twist)”や“キーポル(Keepall)”は1%程度だったとしている。

バーンスタインのルカ・ソルカ(Luca Solca)=アナリストは、“キャリーオール(CarryAll)”“バイカー(Biker)”“オール・イン(All In)”“グレースフル(Graceful)”は米国でも価格が変わっていないため、これらのバッグは米国内で製造されている可能性もあると述べた。また、「今回の『ルイ・ヴィトン』による米国での平均3.6%の値上げは、仮にEUからの輸入品に対して20%の追加関税が課されたとしても、それを十分に吸収できるだろう」と指摘。「さまざまな要素を踏まえると、ラグジュアリーブランドが値上げをする際には5〜7%程度になると思われるが、『ルイ・ヴィトン』のようなメガブランドには高い需要とそれに基づくプライシングパワーがあるため、あまり大きな問題にはならないのではないか」と分析した。

「エルメス」や「ゼニア」も米国で値上げ

なお、競合の「エルメス(HERMES)」は、4月17日に発表した2025年1〜3月期(第1四半期)決算の説明会で、5月に米国市場で値上げをすることを明らかに。これはトランプ関税に対応するためであり、その他の市場には適用しないという。エリック・デュハルグエ(Eric du Halgouet)財務担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントは、「関税率は確定しておらず、事態の進捗を慎重に見守っている」とし、値上げ幅については開示しなかった。

また、エルメネジルド ゼニア グループ(ERMENEGILDO ZEGNA GROUP)も、4月24日に25年1~3月期(第1四半期)決算を発表した際、やはりトランプ関税に対して「利益を守るために必要な措置を取る」とし、米国市場で今後1ケタ台半ばの値上げをすることを明らかにした。

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