リファインメタル(再生金属)を使用したジュエリーのポップアップイベント「リファインメタル#1」が東京・六本木のイセタンサローネで開催中だ。同イベントでは、一般社団法人日本リファインメタル協会がクリエイターと協業したジュエリーを展示販売する。初回は、榮倉奈々がスタイリストの上杉美雪と手掛けるアパレルブランド「ニューナウ(NEWNOW)」やアーティストの三浦大地、アートディレクターの山崎晴太郎が再生金属を使用したジュエリーをデザイン。リングやネックレス、ピアス、ブレスレットなど販売するジュエリーの価格は2万〜150万円程度。
リファインメタルとは、“都市鉱山”と呼ばれる家電や携帯電話の廃棄物から採れる再生金属のこと。鉱山から採掘された金属よりも環境に優しく、トレーサブルな資源だ。ジュエリーブランドの「ハム(HUM)」が、2018年から「リファインメタル プロジェクト」をはじめ、再生メタルを使用したジュエリーの販売やインスタレーションを行ってきた。ジュエリー業界全体にこの動きを広めたいと21年に一般社団法人化し、活動を広げている。
クリエイター3人の思いが込められた環境に優しいジュエリー
榮倉は、「ハム」のアトリエへ訪れた際にリファインメタルの存在を知り、このプロジェクトに参加を決めた。彼女は、「私たちの服づくりへの思いと通じるものがあると思った。ジュエリーを手掛けるのは初めてで、1年以上かけて完成した。手に取りやすい価格帯のものもあるので『ニューナウ』の洋服と合わせて楽しんでほしい」と語った。
榮倉からの紹介で参加したという三浦は、「ジュエリーが好きで、環境問題にも関心がある。両方を組み合わせられると思った」とコメント。彼は、ウエアラブルなアートをテーマに、自身が作りたいと思うジュエリーをデザインしたそうだ。
山崎は、和紙を使用してジュエリー制作に臨んだという。彼が一つ一つ折ったり、こよりにして作った紙の指輪の型に再生金属を流し込んで完成したリングは、全て1点ものだ。彼は、「2回目のジュエリーの人生で、1回目の人生で叶わなかったことを表現したいと思った」と話す。通常のジュエリーのは、磨かれ完璧で輝くものだが、彼は敢えてシンプルでプリミティブなものを作った。「人々の心の中にあるジュエリーの原点にフォーカスした」と語った。
一般社団法人日本リファインメタル協会の貞清智宏代表は、「リファインメタルをもっと多くの人に知ってもらい、広げていきたい。継続的にこのようなプロジェクトを開催するつもりだ」と話している。「リファインメタル#1」の会期は15日まで。