2025-26年秋冬シーズンのメンズ・ファッション・ウイークは日本人デザイナーの存在感がさらに際立った。パリ・メンズ・ファッション・ウイークに公式参加した日本のブランド数は13で、インディペンデントな日本ブランドが、圧倒的な資金力を誇るメガブランドと共にファッション・ウイークを盛り上げている。特に、パリの公式カレンダーへの参加は簡単ではない。世界中のブランドが公式枠を目指しているため競争率は高く、一定の資金力や知名度に加え、有力な人物や企業とのつながりをいかに作るかという運も必要なのが実情だ。13というブランド数は、世界中の企業やバイヤー、ジャーナリストらが日本人デザイナーの価値や、日本の生産背景を認めている証拠といえるだろう。(この記事は「WWDJAPAN」2025年2月3日号からの抜粋です)
話題性という点でも、日本人デザイナーがけん引した。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)=メンズ・クリエイティブ・ディレクターの盟友であり、「ケンゾー(KENZO)」も手掛けるNIGO®を迎え、日本発のスタイルや文化に焦点を当てたコレクションを披露した。さらに、イッセイ ミヤケのメンズブランド「アイム メン(IM MEN)」が鮮烈なショーデビューを果たし、「カラー(KOLOR)」は創業者の阿部潤一デザイナーが本番当日に突然の退任表明でゲストを驚かせた。ブランドとしてのポジティブな前進を感じさせるショーで約20年間の「カラー」でのデザイナー人生に区切りをつけ、後任の堀内太郎にデザイナーのバトンを渡した。
パリでは公式以外にも、「ファッション プライズ オブ トウキョウ」を受賞した浅川喜一朗デザイナーの「シュタイン(SSSTEIN)」や八木佑樹クリエイティブ・ディレクターの「バウルズ(VOWELS)」もプレゼンテーションを行った。イタリア・フィレンツェのメンズ見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」では、桑田悟史デザイナーの「セッチュウ(SETCHU)」が初のランウエイショーを披露している。
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