1年前から顕著な“男らしさ”の再解釈は続いており、今季は官能性を強く取り入れたエレガントなドレススタイルが際立った。キム・ジョーンズ(Kim Jones)による会心の「ディオール(DIOR)」や、デザインチーム体制の「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」は男の色気をフェミニニティーの視点から解釈し、厳格なメンズウエアを柔らげるアプローチ。「ランバン(LANVIN)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」はスーツに異質な要素を掛け合わせて、厳格なメンズウエアの色気をより際立たせる手法だ。(この記事は「WWDJAPAN」2025年2月3日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
「ディオール」
DESIGNER/キム・ジョーンズ
クチュールの伝統が光る
華やかなミニマリズム
着想源は、1954-55年秋冬オートクチュールで発表された「Hライン」。そぎ落としたシルエットと控えめな色使いで、アトリエによる美しい仕立てと装飾、ぜいたくな素材を際立たせた。コートとしても着られるスカートや艶めくサテンブラウス、背中にボウをあしらったジャケットなどテーラリングが核のクリエイションにフェミニンな要素を融合することで、メンズウエアの進化を探求。繊細な刺しゅうがきらめく着物風ローブをはじめ、メンズクチュールも披露した。今季のイメージに影響を与えたのは、18世紀を生き、華やかな装いと恋愛遍歴で知られるジャコモ・カサノヴァ(Giacomo Casanova)。仮面舞踏会を想起させるリボン状のマスクがミステリアスな色気を醸す。
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