
アイスはシーズンレス。極寒のアイスも最高 ILLUSTRATION : UCA
毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年2月3日号からの抜粋です)
大塚:2025-26年秋冬のメンズコレは、「フェンディ(FENDI)」も「グッチ(GUCCI)」も「ロエベ(LOEWE)」もショーを行わず。これまでになくニュースが少ないシーズンでした。でもその分、デザイナーやブランド、「ピッティ・イマージネ・ウオモ」に出展していたファクトリーも含めて、日本人の活躍が際立って見えました。
井上:代表格は「オーラリー(AURALEE)」。ショー会場はスタンディングも座席も、ぎゅうぎゅうでした。欧米のメディアでファッション・ウイークではないタイミングでも取り上げられることが増えており、クリエイションでもビジネスでも成功しています。
「自信を持って特集できる」と確信
大塚:「オーラリー」をはじめ、日本人の活躍は感じていましたが、日本にいると海外の反応が分からないので、今までは大きく取り上げることをあえて控えていたんです。でもエリさんの日本ブランドの評価や現地の反応を見て、「自信を持って特集できる」と確信しました。表紙は「オーラリー」「ダブレット(DOUBLET)」「ターク(TAAKK)」「キディル(KIDILL)」の中堅デザイナー4人。みんな最初は、パリコレは目指したい舞台だったのに、何シーズンか続けていると、お金はかかるし、ビジネスにすぐ結びつかないしで「なんでパリコレだったっけ?」となるそうです。それでも続けることで、現地のスタイリストやいろいろな人との出会いがあり、成長につながっている実感があるようでした。
井上:「セッチュウ(SETCHU)」は、今回の初のショー後に、SNSのフォロワーがものすごく増えたそうです。プレゼンとは違って、短い時間に凝縮されているからこそ濃く伝わるのでしょうね。イッセイ ミヤケの新ブランド「アイム メン(IM MEN)」も良かったです。ショーで見せるのは難しいコンセプトだと思いましたが、フィナーレで一枚の布をたこみたいに掲げて、カラフルで楽しい雰囲気で。作り方も見せ方もシンプルで、イッセイ ミヤケらしさにあふれていました。
大塚:そうですね。「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS)」や「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」もストレートに伝える強さが素晴らしかった。道を切り開いてきたベテランの力も改めて感じるシーズンでした。