
「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」はこのほど、韓国・ソウル市の新世界百貨店本館“LV ザ プレイス ソウル”で「ビジョナリー・ジャーニー ソウル」展をオープンした。同展は貴重な資料やアーカイブ、没入型の展示とともにメゾンの歴史と発展をひも解いていく世界巡回展で、これまでバンコク、上海、大阪で開催し、それぞれの都市の伝統や特色を反映した展示も見所だ。今回は伝統と革新が共存するソウルをオマージュした3フロアにわたる多層構造で、200点以上の展示やストア、カフェ&レストランなどの食を通じ、イマーシブに体験できる空間を展開する。デザインは重松象平率いるOMAが手がけた。
200点以上の貴重なアーカイブや資料がそろう 3フロアにわたる没入型展示
体験のはじまりは、新世界百貨店本館1Fのボワット・シャポー(帽子ケース)が並ぶトンネル“トランクスケープ”。ブランドの原点であるトランクとダイナミックなLED ディスプレイで“旅の始まり”を感じさせる演出で出迎える。展覧会は5階の“オリジン”へと続き、モノグラムの誕生など、メゾンを形作ってきた歴史的瞬間や変遷を“Historical Canvases(歴史的キャンバス)”“Packing Fashion(ファッションのパッキング)”“Transports(輸送)”“Expeditions(冒険)”“Supple Monogram Canvas(しなやかなモノグラム・キャンバス)”“Epi Leather(エピ・レザー)”の6つの章で辿る。そして、旅を超えてアール・ドゥ・ヴィーヴル(豊かなライフスタイル) へと広がる“ライフスタイル”、精緻な時計の世界に誘う“ウォッチ”、携帯用トランクやテーブルウエアなど優雅な屋外でのレジャーの世界を再発見する“ピクニック”、手描きのイニシャルや特徴的なモチーフを施したトランクがずらりと並ぶ“パーソナライゼーション”と、多彩なクリエイションを堪能できる。
アニエールにあるアトリエの鉄細工様式を基調に構想した“アトリエ”では、メゾンのクリエイションを支える職人の世界へ。しなやかなレザーなどの素材、型紙や木型、職人の道具がまるでオブジェのように並ぶ。そして、“耐久性試験”のエリアでは、大阪の展示でも話題になった「ルイーズ」の愛称で親しまれる測定器が登場。その静かで滑らかな動作は、まるで芸術的なリチュアルのようだ。
柱状のショーケースが並び万華鏡のような空間でレザーグッズの進化を辿る“アイコン”では、ウィメンズ・コレクション アーティスティック・ディレクターのニコラ・ジェスキエールや、メンズ クリエイティブ・ディレクターのファレル・ウィリアムス、そしてマーク・ジェイコブス、キム・ジョーンズ、ヴァージル・アブローなど歴代のアーティスティック&クリエイティブ・ディレクターの足跡を辿ることができる。
“ファッション”では、反転フラップ式ディスプレイを取り入れ、「ルイ·ヴィトン」のコレクションやファッションショーの変遷を展示。一斉に壁面が変化していく様子は圧巻だ。
ビューティからライフスタイルまで ストアも充実

併設されたストアは、韓国伝統のセクドン(赤、黄、青、黒、白5色のストライプ模様)のカラーパレットにちなむデザインで統一。1階はウィメンズ・レザーグッズ、ビューティ、アクセサリー、ウォッチ&ファインジュエリー、2階はウィメンズ・レザーグッズ、プレタポルテ、シューズ、3階はメンズ・セクションで、レザーグッズ、アクセサリー、プレタポルテ、トラベル·コレクションを取りそろえる。4階のギフトショップでは、“アール・ドゥ・ヴィーヴル(豊かなライフスタイル)”への「ルイ・ヴィトン」のアプローチを定義する限定コレクティブル・アイテムを用意する。
五感すべてを呼び覚ます カフェ&レストラン
4階の「Le Café Louis Vuitton」では、2025年の世界最優秀パティシエの称号を獲得したマキシム·フレデリックのクリエイティブ·ディレクションのもと、繊細な味のペストリーと、フランスの伝統に韓国風のアレンジを加えたバリスタのメニューを味わえる。レストラン「JP at Louis Vuitton」は2026年1月オープン予定だ。
▪︎ビジョナリー・ジャーニー ソウル
月〜木:10:30〜20:00
金〜日・祝祭日:10:30〜20:30
場所:LV The Place Seoul, Shinsegae The Reserve
63 Sogong-ro, Jung-gu, Seoul