ビューティ
特集 メンズコスメ2023 第5回 / 全5回

花王メイクアップアーティストが考えるメンズメイク 必要なのは「影色操作の意識」と「店頭カウンセリングの充実」

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花王所属のメイクアップアーティストである三国屋陽介氏は、同社のビューティリサーチ・クリエイション部で美容トレンドを観測・分析する“研究員”としての顔を持つ。2021年に同部署に所属して以降、メイクをしている男性に街頭インタビューし、意識調査を実施している。メンズメイクの広がりを受け、男性の骨格に合わせたメイクメソッドの開発にも着手。店頭での男性向けカウンセリング体制の整備を目指す。(この記事は「WWDJAPAN」2023年9月25日号付録「WWDBEAUTY」から抜粋・加筆しています)

21年夏から渋谷、表参道、銀座、丸の内などの都心の繁華街で、メイクをしている男性にインタビューしている。主に聞いているのは「なぜメイクをしているのか」。30代以上が「ニキビ跡を隠したい」「目がコンプレックス」といった「マイナスをゼロにする」動機なのに対し、10〜20代は「(アイドルやインフルエンサーなどの)推しがメイクしているから」「メイクが自分のファッションに合うから」といった「プラス」のモチベーションが多い。インタビューに答えてくれた人数は、21年夏〜22年春にかけては8人。メイクをしている男性を見つけるのにも苦労したが、22年夏から23年春にかけて対象者は18人と倍以上になった。男性のメイク自体がトレンドの裾野の方へ降りてきており、今後メイクをする男性はもっと増えていくだろう。

店頭の美容部員も、男性のお客さまに対し、適切なカウンセリングができる準備しておく必要がある。前提として、男女には骨格の違いがある。女性のお客さまに実践しているメソッドでは、単純に当てはめられない部分もある。顔の印象を大きく左右し、メイクアップでも重要な眉も、男女で大きく違う。20〜39歳の男女(合計約160名)を対象に調査したところ、平均して男性の眉は女性よりも長さが1.5cm、太さは2倍弱、面積は2倍強あることがわかった。データに基づいたメンズメイクのメソッドを確立、社内に水平展開することで、男性のお客さまに対するカウンセリング体制を充実させていく。

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