ファッション

トラブル続きの「バレンシアガ」 炎上したホリデーキャンペーンのセット制作会社を提訴

 バレンシアガ(BALENCIAGA)は2023年春夏シーズンのキャンペーンビジュアルの撮影のために制作したセットの一部に児童ポルノに関する裁判資料が使用されたことで多大な損害を受けたとして、製作会社のノース シックス インク(NORTH SIX INC.)およびニューヨークを拠点に活動するセットデザイナーのニコラ・デ・ジャルダン(Nicholas Des Jardins)などを相手取り、2500万ドル(約34億5000万円)以上の損害賠償を求めて提訴した。米「WWD」はノース シックス インクらにコメントを求めたが、ノース シックス インクはコメントを拒絶し、ジャルダンらからは期限までに回答を得られなかった。

 同キャンペーンビジュアルは、マンハッタンの高層ビルのオフィスを模したセットで撮影。散乱した書類の上に「バレンシアガ」と「アディダス(ADIDAS)」がコラボレーションした“アワーグラス”バッグが置かれていたが、書類の一部に児童ポルノを広告、宣伝、または提示することを犯罪とする「2003年児童保護法」の条項を支持した、「合衆国対ウィリアムズ」連邦最高裁判決を強調する文書が使用されていたという。

 バレンシアガは、公式インスタグラムで「撮影で使用された小道具はすべて(バレンシアガ以外の)第三者が準備し、小道具の書類はフェイクであることを書面で確認していた。結果としてそれらは実在する法的文書で、テレビドラマの撮影から流用したものだった。これらの書類が(バレンシアガの撮影で)使用されたことは怠慢の結果であることから、バレンシアガは訴訟を提起した。当社も監視・管理不足の責任を取る」とコメントしている。

 バレンシアガは、ホリデーキャンペーンのビジュアルに首輪や手首の拘束具といったボンデージギアを着けたテディベア型のハンドバッグを持った幼児を登場させたことでも批判を受けている。立て続けに起きたキャンペーンビジュアルに関するトラブルを受け、「バレンシアガ」は制作プロセスや検証スキームの見直しおよび強化、児童保護に特化した団体と協力して児童虐待の撲滅を目指すための土台作りを行うことなどを公式インスタグラムで明らかにしている。

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