ファッション

「ビューティフルピープル」は独自のコンセプトを探求しつつ、調和や平和を表現 パリコレで勝負する日本人デザイナーVol.11

 2019年春夏シーズンから洋服の内部に隠れている空間に着目する“サイドシー(SIDE-C)”という独自の考え方を掲げている「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」は、「A NEW WAY OF CONNECTING(つながるための新たな方法)」と題したコレクションで断絶や対立が多い世界へのメッセージを放った。ベースとなるのは、軍服を想起させるカーキグリーンのウエア。人が関わり合うパフォーマンスを通して、それが軽やかな衣服へと変わるさまを描き、調和や喜び、平和を表現した。

 フラップポケットの付いたミリタリージャケットは、上下をひっくり返すことでボレロのようなデザインに。パラシュートパンツは、ファスナーを開き、逆さにしてファスナーを閉めたりボタンを留めたりすることでケープ付きのドレスへと形を変える。2021年秋シーズンから探求している“ダブルエンド(両頭の意)”のアイデアを発展させたものだが、中には着方の変化と呼ぶには不自然な提案もあった。最後には、モデルがボディースーツのヒップ部分に収納されていたパラシュートを広げ、風をまといながら会場を駆け巡った後、それを頭からすっぽり被ってドレスに。登場したルックの数はかなり少なかったものの、メッセージ性の強い今季のストーリーを完結させた。

 着方の変化を実演するのは、一発勝負かつ編集のできないリアルショーではなかなか難しい。過去にはそれが間伸びしているように感じたショーもあったが、今回はそのプロセスにコンテンポラリーダンスの要素を取り入れることで、テンポ良く見せているのが印象的だった。

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