ファッション

「ビューティフルピープル」が「第38回毎日ファッション大賞」受賞 “モードにはまだまだ可能性がある”

 毎日新聞社は18日、「第38回毎日ファッション大賞」の授賞式を東京・恵比寿のEBiS303で開催した。今季はコロナウイルス感染症感染拡大防止策として、オンラインで式典を生中継。大賞に選ばれた「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」の熊切秀典デザイナー、新人賞・資生堂奨励賞は「コトハヨコザワ(KOTOHAYOKOZAWA)」の横澤琴葉デザイナーらが出席した。

 大賞の熊切デザイナーは受賞のスピーチで「僕がファッション業界を志すきっかけとなった川久保玲さん(『コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)』デザイナー)が第1回の大賞を受賞されたこの賞を受賞でき、大変嬉しくこれを励みに今後も頑張っていきたい」と喜びを語った。今回の受賞理由になったという、洋服の内部に隠れている空間に着目した独自の型紙設計「サイドシー(Side-C)」については「常に新しい構造を意識していてモノ作りをしている。昨今『モードは死んだ』と言われることもあるが、そこにはまだまだ可能性があると信じている」とコメント。「コロナ禍で世の中の状況は変わったが、だからこそできることを見直し、楽しいものを考えるとき。このタイミングで賞を頂くことができたことは光栄に感じ、これからもブランド名にもある“美しいもの”を作り続けていきたい」と述べた。

 新人賞・資生堂奨励賞を獲得した横澤デザイナーには賞状とトロフィー、賞金100万円が贈られた。スピーチでは「1月に子どもが誕生し、しばらくは仕事復帰は難しいと思っていたが、出産と同じ年にこのような舞台に立たせていただけたことに驚いていて、感謝の気持ちでいっぱい」と明かした。従来、同賞の受賞者にはファッションショーを披露する機会が設けられていたが、今回はトークショーを合わせたプレゼンテーションとして発表形式を変更。横澤デザイナーと、テキスト、テキスタイル、イラストレーションを手掛けるテキストレーターとして活動するはらだ有彩を招き、約20分間のトークショーを行った。披露したのは、コレクションライン、定番アイテムを集めたライン“トゥードゥー(TODO)”、再利用品を使用したライン “サムバディ(SOMEBODY)”、ZOZOの「ユアブランドプロジェクト」で開始したユニセックスのルームウエアを中心とする“シンク(SINK)”をミックスしたスタイリング。横澤デザイナーがコロナ禍に見かけて「キュンとした」という部屋着で近所に出歩いている人や、寝癖のついた髪型の人など生活感から生まれる親近感に着想を得たという。

 はらだ有彩は、横澤がスタートさせたばかりのユーチューブ(YouTube)チャンネルについて質問。「(横澤さんは)変わるということをポジティブに捉えている。開始されたユーチューブも気が抜けた雰囲気で楽しい。キメ過ぎないことを大切にされていると思う。日常のささいなことを見せることにはどういう意図がある?」とたずねると、横澤は「日常は切り離せないものであり、私はかっこつけるのは得意ではない。誰でも朝寝坊したり、掃除をしたり、洗濯物を畳んだりすることはあるのに、そういうことを蔑ろにして人々は接している。人のそういう部分を見られたらもっとその人を好きになると思うが、『見たい!』と願っても見られないので、自分からユーチューブで見せちゃおうと始めた」と説明した。

 そのほか、鯨岡阿美子賞はファッション甲子園実行委員会が、話題賞には作業着のワークマンによるカジュアル業態「ワークマンプラス(WORKMAN PLUS)」が選ばれた。

第38回「毎日ファッション大賞」の受賞者は以下の通り。

大賞:熊切秀典 / 「ビューティフルピープル」デザイナー
新人賞・資生堂奨励賞:横澤琴葉 / 「コトハヨコザワ」デザイナー
鯨岡阿美子賞:ファッション甲子園実行委員会
話題賞:「ワークマンプラス」

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