ファッション

20周年の「トーガ」が大賞受賞で古田泰子がスピーチ 第36回「毎日ファッション大賞」

 毎日新聞社は22日、第36回「毎日ファッション大賞」の授賞式を東京・恵比寿のEBiS303で開催した。今年の大賞は「トーガ(TOGA)」の古田泰子だ。古田は東京コレクションに出始めた2003年に新人賞、発表の場をパリに移した頃の09年に大賞を受賞しており、今回の大賞受賞は2度目で9年ぶりになった。賞状とトロフィーを受け取り、「振り返ると節目で評価いただけて大変光栄に思う」といい、「昔は『花椿』を見てファッションに憧れ、東京に出てきてファッションを学び、一人で『トーガ』を始めた。それから数人の仲間を持ち、それから20年間を経て今も仲間たちと共に、日々新しい一石を投じられるような意味のあるデザインを生み出そうとしている。情熱を持ち、頭を堅くせずに強いものを生み出していきたい」と語った。

 新人賞・資生堂奨励賞を受賞した「アキコアオキ(AKIKOAOKI)」の青木明子には賞状とトロフィーの他、賞金100万円が贈られた。授賞式では、10月に東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルで発表した2019年春夏と、新人賞の評価対象になった18-19年秋冬、18年春夏の3シーズンのコレクションをミックスしたファッションショーを披露。青木は壇上で「ブランドを初めて4年目、ここに立てているのは普段お力添えをいただいたいるみなさんのおかげだと思っている。私は小さい頃からファッションが身近にあり、装う行為がただ服を着ることではなく、人間の新しい時代を創り出していく文化的なものだと信じて活動してきた。この賞をきっかけにさらなる精進をしていきたい」とスピーチした。

 鯨岡阿美子賞を獲得したアートディレクターの仲條正義は資生堂の企業文化誌「花椿」で40年以上アートディレクターを務めた。「なぜ自分がこの賞を獲得できたのか理解できなかったが、40年間以上活動してきたご褒美として、最終的に納得した。『花椿』は体質に合っていたのか、自由にやらせていただけたことが長続きした理由だと思う。昔は何をやっても褒められた時代があった、今は何やっても『面白くない』と言われるような時代。昔に戻りたい」と笑いを誘った。

 話題賞にはZOZOの“ゾゾスーツ(ZOZOSUIT)”が選出され、“ゾゾスーツ”の開発を担当した伊藤正裕ZOZO取締役がプライベート・ブランド(PB)の「ゾゾ」のオーダースーツを着用して登壇した。 「歴史のある賞をいただけて、ただただ恐縮だ。“ゾゾスーツ”はインターネットで服を購入する時に一番難しい問題であるサイズ、という素朴な問題を解決する装置を追求して行った結果、不思議な形になり、ハロウィンでも着ていただけて(笑)、いろいろと話題にしていただけた。今年は“ゾゾスーツ”が話題になり、その先にある体験、PBの『ゾゾ』までにはなかなか焦点が当たらなかった。デリバリーが遅れていてお詫び申し上げなければならないが、体を測ってピッタリきれいに着られる服をご用意しているので、是非多くの人に試していただきたい」とコメントした。

第36回「毎日ファッション大賞」の受賞者は以下の通り。
大賞: 古田泰子 / 「トーガ」デザイナー
新人賞・資生堂奨励賞:青木明子 / 「アキコアオキ」デザイナー
鯨岡阿美子賞:仲條正義 / アートディレクター
話題賞:ゾゾスーツ

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