世界最大のアイウエア企業エシロールルックスオティカ(ESSILORLUXOTTICA)が擁するアイウエアブランド「オークリー(OAKLEY)」は、アパレル、フットウエア、アクセサリー(以下、AFA)部門のクリエイティブ・ディレクターとして、マシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM)」創業デザイナーを任命した。AFAカテゴリーを中核であるアイウエアと同等もしくはそれ以上に拡大する狙いで、2025年6月にチーフ・ビジョナリー・オフィサーに就任したラッパーのトラヴィス・スコット(Travis Scott)と緊密に連携していく。ウィリアムズ新AFA部門クリエイティブ・ディレクターによるアイテムは、早ければ6カ月後に一部を発売する可能性があり、全貌は1年~1年半で明らかになるという。
アパレル分野には1990年代に進出
「オークリー」は1975年、モトクロスを趣味とするジム・ジャナード(Jim Jannard)が米カリフォルニア州で設立。オートバイの部品を販売していたが、自作したスポーツ用サングラスに端を発し、84年にアイウエア分野に進出した。アスリートらからの支持を得て事業を拡大し、90年代にはアパレルやフットウエアもスタート。95年に上場。2001年、ルックスオティカ(当時)がおよそ21億ドル(約3360億円)で買収した。
オークリーのカイオ・アマト(Caio Amato)=グローバル・プレジデントは、「マシューはデザインはもちろん、ビジネス面でも豊富な知識を持っている。各国のカルチャー上でのニュアンスの違いも理解しており、全体を見渡すことができる。そうした意味で、彼はまさに『オークリー』が必要とする人材だ」と説明。「当ブランドはアイウエアを土台としているため、AFA部門に注力することは難しかったが、デザインチームやアスリート主導で地道に開発を行ってきた。マシューを迎え、今後はさらなる成長とスケール化を促進していく」と語った。なお、同氏は全体の売り上げにおけるAFA部門の割合については言及を避け、「アイウエアが大半を占める」とコメントするにとどめた。
「ジバンシィ」のトップも務めた“ラグジュアリーストリート”の雄
ウィリアムズ新AFA部門クリエイティブ・ディレクターは、1985年にシカゴで生まれ、カリフォルニア州ピズモビーチで育った。服飾デザイナーとしての技術は独学で身につけている。「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」で経験を積み、アート集団ビーントリル(BEEN TRILL)を故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)やヘロン・プレストン(Heron Preston)らと共に結成。2015年には、自身の娘の名前を冠した「アリックス(ALYX)」(18年に現ブランド名に変更)を設立した。当初はウィメンズのみだったが、17-18年秋冬からはメンズも始動。“アグレッシブ・エレガンス”をテーマとした工学的なデザインのバックルベルトやポーチといったアイテムから人気に火が付き、ラグジュアリーストリートのトレンドをけん引するデザイナーの一人に。20年6月から23年12月までは、「ジバンシィ(GIVENCHY)」のクリエイティブ・ディレクターを務めた。一方で、23年11月に「1017 アリックス 9SM」の過半数株式を香港の起業家エイドリアン・チェン(Adrian Cheng)に売却。25年6月には、自身の名を冠した新プロジェクトを立ち上げ、26年春夏パリ・メンズ・ファッション・ウイーク期間中に披露した。なお、このプロジェクトは今後も継続するという。
ウィリアムズ新AFA部門クリエイティブ・ディレクターは、「サッカーをやっていた子どものころから『オークリー』のファンだったので、誘いを受けて即座に引き受けた。豊かな歴史を持つ、可能性に満ちたブランドである上、スポーツやアウトドア、テクニカルウエアが大好きという私自身の背景とも合致する。トラヴィスやチームと共にブランドの新章を築いていくことを楽しみにしている」と述べた。