ファッション

パリコレ歴40年を越えた「ヨウジヤマモト」が追求する黒のエレガンス パリコレで勝負する日本人デザイナーVol.9

 「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」は、完全デジタル開催となった2021-22年秋冬シーズンを除き、コロナ禍もパリでのショー発表を続けてきた。パンデミック真っ只中の20年秋に取材した際、山本耀司デザイナーは「パリでショーを行うことは自分の仕事。(初参加した1981年から)40年近く続けているから、自分の存在理由だ」と語っていたが、そのブレることのない姿勢で、今季も黒のエレガンスを見せた。

 米「WWD」によると、今季の出発点となったのは「17〜18世紀に男性が女性にコルセットや極端に小さな靴を強要し、人形のように扱っていたことへの嫌悪感」だという。そして、足かせとなっていたような歴史的な衣服を分解することで、女性の自由を表現した。序盤は、いくつもダーツを取ることで美しいボディーラインを描いたテーラリングジャケットだ。フロントや肩には、生地のパネルがめくれて剥がれ落ちるようなデザインを施し、広がる裾に切り込みをプラス。下には、柔らかな細身のロングスカートを合わせる。そんな柔らかな生地感は、体にしっとり沿い、裾が風に揺れるシャツドレスやコート、分解されたパーツをいくつも組み合わせて作ったようなアシンメトリードレスにも見られるもの。黒を中心としたアイテムを、軽やかに仕上げているのが印象的だ。

 そして、終盤のドレススタイルはオールブラックでありながら、より装飾的に。提案したのは、レースを取り入れたファスナー開閉のコルセットとアシンメトリーなヘムが重なり合うスカートのルックや、バロック調の有機的な形状にカットされたピースをつなげて、シワ感を加えた生地と組み合わせたドレスなど。そこには、はかなさと優美さが共存する。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

原宿・新時代 ファッション&カルチャーをつなぐ人たち【WWDJAPAN BEAUTY付録:中価格帯コスメ攻略法】

「WWDJAPAN」4月22日号の特集は「原宿・新時代」です。ファッションの街・原宿が転換期を迎えています。訪日客が急回復し、裏通りまで人であふれるようになりました。新しい店舗も次々にオープンし、4月17日には神宮前交差点に大型商業施設「ハラカド」が開業しました。目まぐるしく更新され、世界への発信力を高める原宿。この街の担い手たちは、時代の変化をどう読み取り、何をしようとしているのか。この特集では…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。