ファッション

「サカイ」は、大胆なプリーツで自由と秘められた強い意志を表現 パリコレで勝負する日本人デザイナーVol.8

 「サカイ(SACAI)」の阿部千登勢デザイナーが今季表現したのは、「自分たちの自由や秘められたポジティブな強い意志」。カラフルな椅子が並べられた空間の中、メリハリのあるシルエットとモデルのアティチュードを通して、今この時を生きる女性たちへの前向きなメッセージを発信した。

 デザインのカギとなるのは、プリーツ。長年探求し続け、先の2023年春夏メンズ・コレクションやウィメンズのプレ・スプリング・コレクションでも見せたアイデアを発展させた。ファーストルックは、黒のタキシードに白いシャツ。アイテムとしてはクラシックだが、プリーツ加工を大胆に取り入れることによって新たなシルエットを生み出しているのがポイントだ。ジャケットとシャツは一体化するように裾に向かって広がり、モデルの動きに合わせてジャケットのスリットからシャツが覗く。一方、パンツはふくらはぎあたりまでをプリーツが広がらないように留めたスキニーシルエットで、裾に向かって一気にフレアラインを描く。その後もMA-1やトレンチコート、金ボタンのマリンジャケット、タンクドレス、他の素材のパンツにも同様の手法を取り入れた。

 「自由」の表現は、それだけではない。ジャケットやアウターの袖は、脇の下から袖口にかけて配したファスナーの開閉によって、ケープのようなAラインを表現。クリーンなシルクタフタのシャツやスパンコールが敷き詰められたスエットシャツは肘部分から袖口にかけて大きくふくらみ、トラックパンツのサイドラインはフロントに向かってカーブを描く。阿部デザイナーにかかれば、見慣れたワードローブの定番アイテムがダイナミックかつエレガントに変わる。

 そして今季のショーで印象的だったのは、モデルがポケットに手を突っ込んで歩く姿。シャツやTシャツ、ドレスなど普通はウエストにポケットがついてないアイテムにも、ユーティリティーアウターから切り出したような帯状のパーツや立体的なポケット付きのベルトを加えることで、内面的な強い意志をアティチュードで示した。そして、フィナーレに使われた楽曲はリゾ(Lizzo)の「About Damn Time」で、ランウエイに登場したトップスにもその一節である「I GOT A FEELING I’M GON’BE ALRIGHT(もうきっと大丈夫な気がする)」というフレーズがあしらわれていた。今の自分を受け入れ、落ち込んでもへこたれずに人生を謳歌する―――。そんなポジティブな歌詞は、阿部デザイナーのメッセージに呼応する。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2024-25年秋冬のトレンド総まとめ 鍵は「退屈じゃない日常着」

4月15日発売の「WWDJAPAN」は、毎シーズン恒例のトレンドブックです。パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨーク、そして東京の5都市で発表された100以上のブランドから、アイテムや素材、色、パターン、ディテール、バッグ&シューズのトレンドを分析しました。豊富なルック写真と共にお届けします。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。