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神戸百貨店商戦 阪急は大丸の牙城を崩せるか

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 神戸阪急が2023年秋をめどにした全館リニューアルを進めている。90年代には関西百貨店でもトップクラスの売上規模を誇った同店(当時はそごう神戸店)だが、近年は低迷が続き、競合の大丸神戸店にも水をあけられている。約20年ぶりとなる大規模改装で反転攻勢をかける。(この記事は「WWDJAPAN」9月26日号からの抜粋です)

 神戸阪急は今夏、本館・新館の低層階を大胆に刷新し、20〜30代の若者への訴求を明確に打ち出した。6月から7月にかけて「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「セリーヌ(CELINE)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を新館1階にオープンしたのを皮切りに、8月末には1〜3階を「ハンキュウ モード コウベ」と銘打ち、モードファッションを軸に雑貨、フレグランスなどをジャンルレスに集めた売り場に新装。「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「マルニ(MARNI)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」など海外のデザイナーズブランドをそろえたほか、「クロエ(CHLOE)」のジェラートスタンドやバー併設の「トム ブラウン(THOM BROWNE)」など、世界初の業態も実現させた。衣料品以外では雑貨など「カルチャー関連商品」の構成を約3割まで高め、フロア中央には香水セレクトショップの「ノーズショップ」(2階)、ビンテージのレアスニーカーショップ「ワームコウベ」(3階)など百貨店の枠組みにとらわれないショップを集積して、滞留と回遊の起点にする。

 杉崎聡店長は「かつて大衆のファッショントレンドの発信地だった神戸の街に根付く、エレガントで洗練された価値観や審美眼に訴えかける。世界に発信できる新たな“神戸ファッション”をこの店からつくっていきたい」と話す。同時に改装オープンした本館2〜4階化粧品フロア「コウベ ハンキュウ ビューティ」もデジタルを活用したパーソナルな接客を強化した。改装オープン(8月31日)から1カ月弱がたち、「今まで神戸阪急にはいらっしゃらなかった若い世代のカップルなど、幅広い年代の来店が増えた」(阪急阪神百貨店広報)という。いずれの改装売り場も売上高は目標に対して1.5倍と、好調にすべり出している。

 神戸阪急はJR三ノ宮駅や私鉄駅の目の前に立つ。立地を生かした集客力で、ピーク時の91年度(当時はそごう神戸店)には売上高が1480億円に達した。だが95年の阪神・淡路大震災で一部の売り場が倒壊。2年後には全館再開にこぎつけたものの、00年に運営会社のそごうが経営破綻。目立った店舗投資がなされぬまま、売り上げは下降線をたどった。阪急阪神百貨店は17年10月、業績が低迷していた同店をそごう・西武から譲受し、19年10月には「神戸阪急」に屋号を改称した。

 店の課題は前時代的なMDバランスと、百貨店としての個性が埋没していたこと。本館(地下1階〜地上9階)の売り場面積の多くはキャリア・ミセス向けブランドが占め、新館も「ロフト」の集客力に頼っていた。今回の全館改装では、西日本随一の百貨店である阪急うめだ本店を有するグループの交渉力と、既成概念にとらわれない売り場改革により、新たな商機をうかがう。

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