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「ロエベ」2016年春夏パリ・コレクション

REPORT

ジョナサンが考える“今”は、自然とフューチャリスティックをフュージョンすること

「ロエベ」の進化が止まらない。クリエイティブ・ディレクターのジョナサン・アンダーソンは、デビューシーズンはメゾンの本質である“オーガニック”を、セカンドシーズンはそこに“サイエンス”の要素を加え、エレクトリックな新しいラグジュアリーの提案をしてきた。3シーズン目の今回は、その両方の要素が共存するものを見せた。ジョナサンいわく「現代の女性には両方必要だから」。

会場は、デビューシーズンから変わらずユネスコ本部の庭園。ただし、今シーズンは石の彫刻や椅子は透明のビニールでラッピングされ、円柱の椅子は、石製に混ざりアクリル製も並んだ。

ポイントになったのはフューチャリスティックなものと自然のフュージョン。繰り返し登場する透けるメッシュ素材や透明のビニールがその象徴だ。ニットとメッシュを切り替えたり、ロゴを全面にプリントしたドレスに透明ビニールを重ねたり。多用された鏡や大きなスナップボタンもフューチャリスティックなムードを加速させた。印象的なボタニカル柄はドイツの植物学者であり写真家のカール・ブロスフェルトの作品から。キャメルカラーのナパのドレスには直接、い草をインプリントした。

透明感は、軽さにもつながっている。ジョナサンの「ロエベ」での目標の一つは、「軽さを打ち出すこと」。着られる、持てるというリアリティーが常に考えられている。今回は、着やすさというよりも、緊張感を持ちながらもファッションを楽しもうという提案になっている。
勢力的に取り組むバッグもバリエーション豊富に提案した。“パズル”からはメッシュ×パテント×カーフのミックスやラバー、ミンク素材が登場。サイズもスモールサイズを新たにラインアップした。先に行われたメンズ・コレクションで登場した“ハンモック”はさらに進化。トートバッグにハンドバッグと形が自在に変わるユニークなデザインに。

ジョナサンの「ロエベ」でのアプローチは、自身のブランド「J.W.アンダーソン」のそれとは大きく異なる。「ロエベ」では職人技と革新的技術を存分に用い、時にウィットを効かせてアイテムを提案している。例えば、フューチャリスティックな「LOEWE」ロゴをのせたバッグ。実はプリントではなく、型抜きした後にレザーを張っている。クロコダイルのレザーパンツもまた、「ロエベ」の卓越した技術が用いられた。まるで型押しレザーかのようにソフトだ。

 

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