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本格再始動のファッション・ウイークの雰囲気は?現地取材陣が対談(前編)【徹底解説・2022年春夏コレクションリポート】

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 2022年春夏ファッション・ウイークの現地取材は、ベルリン在住の藪野淳・欧州通信員とパリ在住のフリーライターの井上エリの2人が担当。ショー会場や街の様子から、実際に取材を通して感じたことまで、2人がざっくばらんに振り返る。


藪野淳/欧州通信員
 PROFILE:2012年にロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDJAPAN」の編集記者に。17年9月からベルリンに拠点を移して活動中。コレクション取材では、移動中や待ち時間のおしゃべりも楽しみの一つ

井上エリ/フリーライター
 PROFILE:武庫川女子大学卒業後、ニューヨークで4年過ごし、パリ在住6年目。 今季ロンドン&ミラノ&パリの現地取材を担当。寝坊が許されないファッションウィーク中の朝のアラーム音は、ボン・ジョヴィ「It's My Life」


藪野:今季は、リアルなショーやプレゼンテーションが本格的に再開しました。ロンドンを現地取材したのは井上さんだけでしたが、どんな様子でしたか?

井上:ロンドンに行くのは1年半ぶりで、到着した瞬間から人が少ないと感じました。観光目的の渡航には5日間の隔離が必要なため観光客が少ないことと、2020年1月に欧州離脱を完了させてからイギリスを離れた人が多いことも理由だと思います。マスク着用やワクチンパス提示の義務がない比較的自由な環境ですが、街に以前の活気が戻っているようには見えませんでした。イギリスを代表するブランドがパリに発表の拠点を移しているため、目玉となるブランドも少なく、来場者はコロナ前の半分以下。それでもアフターパーティーは毎晩開催され、内輪では盛り上がっていたようです。感染を避けたくて私は参加しませんでしたが......。各ブランドも、時代の空気をくみとるというよりも、パーソナルな内容が多かったです。パーティー同様、“内輪”で感情を共有するようなコレクションという印象が残っています。

藪野:それは意外ですね。ミラノを訪れたのは1年半ぶりでしたが、想像以上に街に活気が戻っていて驚きました。ファッション・ウイークも有観客のショーに加え、対面で行うプレゼンテーションなどリアルなイベントが盛りだくさんで、コロナ前と変わらないほど忙しいスケジュール。ブランドの関係者に直接会うと、パンデミックから復活し、エネルギーがみなぎっている印象でした。ヨーロッパの中でも、イタリアは特に大きな打撃を受けていましたしね。過去数シーズンは慎重な姿勢でファッション・ウイークを開催していたのに対し、今季は本格的に再スタートを切ったという感じです。

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