ビジネス

ピスタチオが人気の理由は? エディターズレター(2021年7月12日配信分)

※この記事は2021年07月12日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

ピスタチオが人気の理由は?

 先日、「サンデー毎日」の不思議な取材を受けました。「ピスタチオが人気ですが、ファッション業界でもピスタチオカラーは人気ですか?その理由は?」という取材です(笑)。「(オジさんが読んでそうな)『サンデー毎日』が⁉︎」とチョット笑ってしまいましたが、鋭い。ピスタチオカラー、人気ですよね。

 理由の1つは「想像できる」とか「見たことある」からだと思います。ECで「ピスタチオグリーン」って書いてあったら、まぁまぁ「あ、あの色ね」って想像できますよね。若い子ならマカロンやコンビニスイーツ、オトナは豆そのもの(笑)。かなりの人数が、あの淡く、ちょっとグレイッシュなグリーンが、「おいしい」というポジティブな感情と共に思い出せるのではないでしょうか?

 一方、同じ緑には「鸚緑(おうりょく)」という色があるそうです。「鸚」は「オウム」。オウムの羽の緑色らしいのですが、私は「あれ⁉︎オウムって赤じゃないの?」って思っちゃう。正直、「鸚緑色」は想像しがたく、ピスタチオ同様にキレイな色ですが、少なくともその名称が普及するイメージはありません。

 下の記事の通り、香水ではミルクティーや抹茶の香りが売れています。ミルクティー色のリップ、抹茶色のアイシャドウも人気ですね。コレもまた、ポジティブな感情と共に想像しやすいのです。店頭で香り・色を確かめるのが難しい時代だからこそ、「飲んだことがある」「美味しかった」「ほっこりした」「だから知ってる」「ゆえに想像しやすい」ミルクティーや抹茶の香り、色の価値は増しているのではないか?そんなふうに思います。

 となりますと、以前も申し上げた、憧れる魅力的な要素が詰まってはいるものの、「行ったことない場所」「見たことない映画」「玄人な写真集」などの着想源を押しまくるコミュニケーションは、改めた方が良いのかもしれません。たびたびファッションブランドから着想源として大大大プレゼンされるサントロペ、行ったことないもの(笑)。押されれば押されるほど、「スイマセン、行ったことないんです……」みたいな申し訳ない気持ちが芽生えるんですよね(苦笑)。

 「白い砂浜と青い海」なのか「夕日の鮮やかなオレンジ」なのか「日焼け肌にも似合う真っ白なリネンのシャツ」なのか、もうちょっと想像しやすく、ポジティブが喚起される表現があればなぁ、なんて思うことは、まだまだ時々あるのです。

FROM OUR INDUSTRY:ファッションとビューティ、関連する業界の注目トピックスをお届けする総合・包括的ニュースレターです。「WWDJAPAN Digital」が配信する記事から、特にプロが読むべき、最新ニュースや示唆に富むコラムなどをご紹介します。

エディターズレターとは?
「WWDJAPAN」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在8種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

原宿・新時代 ファッション&カルチャーをつなぐ人たち【WWDJAPAN BEAUTY付録:中価格帯コスメ攻略法】

「WWDJAPAN」4月22日号の特集は「原宿・新時代」です。ファッションの街・原宿が転換期を迎えています。訪日客が急回復し、裏通りまで人であふれるようになりました。新しい店舗も次々にオープンし、4月17日には神宮前交差点に大型商業施設「ハラカド」が開業しました。目まぐるしく更新され、世界への発信力を高める原宿。この街の担い手たちは、時代の変化をどう読み取り、何をしようとしているのか。この特集では…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。