ファッション

20トンの“501”を目の前にして、そして衝動買いをしました エディターズレター(2021年5月13日配信分)

※この記事は2021年05月13日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

20トンの“501”を目の前にして、そして衝動買いをしました

 この記事にある“「ミュウミュウ」が「リーバイス」をリメイク”という取り組み、面白いですね。そして可愛いです。「ミュウミュウ」のガーリーな世界観がデニムと組み合わさって化学反応を起こしています。化学反応の材料はブランド名だけではありません。「ミュウミュウ」のデザイン力と職人技、「リーバイス」から想起するアメリカの文化、古着の希少性、綿デニムならではの丈夫さ(=リメイクに耐えうる)。そういったものが上手に混じっています。ストレッチデニム全盛の今となってはその着心地は “ハード”とも評せる綿100%のデニムであることがここではポジティブに作用しています。

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 デザインを大幅に変えることなく、長年大量生産を続けてきた「リーバイス」みたいな存在は、古着として着継がれるだけじゃなくて、“新しい”服の“素材”ともなりえる。そのことは4月末に訪れたヤマサワプレスで体感しました。同社は名前の通り洋服のアイロンプレス、最終検品を主な事業としている会社です。その技と「リーバイス」への強い思い入れから新しい事業を立ち上げました。捨てられる直前の「リーバイス」の“501”のユーズドデニムを米国で20トンも買い付けたそうです。倉庫には“501”がどどーーーーーんとの山積みされていて圧倒されます。そしてなぜか笑みがこぼれます。デザイナーが見たらきっと宝の山に見えるだろうな、と思ったからです。実際ヤマサワプレスとファッションデザイナーを結ぶべく、三越伊勢丹のチームが奔走していました。プロジェクトの詳細はこちらの記事からどうぞ。

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 倉庫の横にはショップを併設しており、帰りがけに衝動買いをしました。背中を押したのは単純にデザインが可愛かったから(“501”を2本分使用したワイドパンツです)。そして1点ものだからです。

 今日の話のポイントはこの20トンという量です。古着のリメイクはもちろん今に始まったことではありませんが、ネームバリューがあり、しかもほぼ同じ形のアイテムが大量に存在していることで“新しい”服の材料となり得ていると思うからです。

 つまりはサステナブルな服作り。でもその言葉を使う必要もないですね。ワイドパンツを着るたびに思い出すのは、山沢社長の根性が座った笑顔です。好きなものへの執着と愛情とアイデアと投資と技術から生まれる服。それらの言葉を使う方がこの服の魅力が伝わる気がします。

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