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ラルフ ローレンが米国で“定額レンタル”サービスを開始 変化する消費動向に合わせて

 ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)によるウィメンズブランド「ローレン ラルフ ローレン」が、レンタルとサブスクリプションサービス「ザ・ローレン・ルック(The Lauren Look)」を開始する。BtoB向けにレンタル事業の管理から必要なテクノロジーなどを提供するカースル(CaaStle)と提携を結んだ。ラルフ ローレンが商品を提供し、カースルは衣類のクリーニングや配送管理を行う。同サービスはブランド公式サイトからアクセス可能で、北米限定だ。

 レンタルは月額125ドル(約1万3500円)からで、ドレスからトップス、ジャケットなど幅広いカテゴリーのアイテムを600種以上そろえた。5月までに新たに170アイテムを追加する予定だ。また、サイズインクルーシブのメンバーシップもある。ユーザーが選んだお気に入りのアイテムからキュレートした4着をまず発送し、着用期間後は割引価格で販売、または新たなアイテムと交換手続きを行う。割引は基本的に30%前後を目安とするが、アイテムの種類やシーズンによって異なるという。ウェブサイトではアイテムの紹介に加えて、スタイリストによる着回しのアドバイスも提供する。送料とクリーニング費用は無料だ。

 レンタル回数に上限を設け、それに達したアイテムは貧困状態にある人々に洋服を提供する非営利団体「デリバリーイング・グッド(Delivering Good)」に寄付する。購入して数回しか着用されない洋服の使用期間を延長して無駄を減らすことに加えて、使用後のプログラムも導入することで、洋服の循環性を高める取り組みだ。デイビッド・ローレン(David Lauren)=ラルフ ローレン チーフ・イノベーション・オフィサーおよび取締役副会長は、「『ザ・ローレン・ルック』は、共有経済(シェアリング・エコノミー)への関心の高まりに注目し、洋服の消費についてこれまでにない視点を加える。新しい消費モデルの探究につながる」とコメント。

 同氏はまた、新しい顧客層の呼び込みにも意欲的だ。「レンタルに興味を持っているのは、若者が中心だ。コレクションから購入する金銭的余裕を持ちづらい層なので、需要が合うはず。これまではCDや映画を所有し、車も気軽に購入していた。しかし現代のオンデマンドおよびレンタル事業はビジネスの在り方に影響を与え、カルチャーを変えてきた。若者は今、頻繁に自分が何者であるかについて考え、アイデンティティーを変化させている。そういうときにレンタルは、自由を与えてくれる。ものを持たなくなった層にアプローチする有効な手段だ」と語った。

 洋服のオンラインレンタル市場は、2019年に12億6000万ドル(約1300億円)に達し、25年までに20億8000万ドル(約2200億円)に拡大すると予想されている。環境に優しい購買を意識し、ものを所有する傾向が薄いミレニアル世代の中でも、細かく変わるファッショントレンドに対応するための手段としても需要が高まっている。ほかにも、「ヴィンス(VINCE)」「レベッカ テイラー(REBECCA TAYLOR)」「ニコル ミラー(NICOLE MILLER)」、グウィニー・ビー(GWYNNIE BEE)、ブルーミングデールズ(BLOOMINGDALE'S)、アン テイラー(ANN TAYLOR)といったブランドや企業がレンタル事業に取り組んでいる。

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