ファッション

「レディメイド」細川雄太インタビュー 価値の無いモノから価値を生み出す、シーズンにこだわらないモノ作り

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 「WWDジャパン」2月1日号は「レディメイド(READYMADE)」を特集した。読者の9割は「レディメイド」も細川雄太も知らないかもしれない。これまでほとんど取り上げてこなかったし、読者が知らないのも無理はない。彼は「WWDジャパン」がファッション業界の次世代を担う人に光を当てた企画「ネクストリーダー2020」に選んだ一人だ。店を持たず、ファッションショーもせず、これまでのファッション業界の常識とは違ったアプローチで、メキメキと実力をつけてきたアウトローだ。なぜ、そんな型破りな彼を特集するのか。それは彼が国際的な視野を持ち、新しい価値を創出してきたネクストリーダーだから。そして、ファッション業界が目指しているサステナブルなファッションストーリーを具現化しているブランドであり人物であるから。既にある素材を世界中から集めて、再編集し、ときには行列を作って売り切る――そんな「レディメイド」の背景を伝えたいと思ったからだ。“ネクスト「コム デ ギャルソン」”や“ネクスト「ヨウジヤマモト」”はショーを行うブランドに限らなくてもいいじゃないか。細川雄太本人のインタビューを通して「レディメイド」のモノ作りを知り、これからのファッション業界のビジョンを探ってほしい。(この記事はWWDジャパン2021年2月1日号からの抜粋です)


リメイクブランド「レディメイド」とは何か?

細川雄太が2013年に立ち上げたリメイクブランド「レディメイド」。ビンテージのミリタリー素材を使って生み出されたバッグやウエアは、それまでのリメイクの概念を覆し、ファッション業界に新しい価値観を創り出した。当初は別のブランドを手掛けていた細川がそれまでとは180度違う「レディメイド」の概念に目覚めたのは?その軌跡をたどる。

WWDジャパン(以下、WWD):大阪モード学園のスタイリスト学科を卒業しているが、当時はスタイリストを目指していた?

細川雄太「レディメイド」デザイナー(以下、細川):親類に美容師が多かったから、もともとは美容師になろうと美容専門学校を受験した。ところが当時「ビューティフルライフ」(木村拓哉が美容師を演じたドラマ)の影響で倍率が30倍にもなり落ちてしまった。心配した母親が「やりたいことがないならファッションの専門学校にでも行ってみたら?」と大阪モード学園をすすめてくれた。スタイリスト学科を選んだのは卒業が一番早かったから。

WWD:卒業後はどうするつもりだった?

細川:在学中は正直何も考えておらず、古着屋でバイトしていたからそのまま働こうかなと思っていたぐらい。卒業後に同級生3人がブランドを立ち上げるからと誘ってくれて、2004年にメンズブランドの「セクスプリメ(S'EXPRIMER)」をスタートした。小さいころは漫画家になりたくて絵を描くのは得意だったから、そこからデザインを独学で始めて、テーラリングや縫製も働きながら覚えた。

WWD:「レディメイド」を立ち上げた経緯は?

細川:「セクスプリメ」が毎シーズン一定の売り上げを見込めるようになり、時間にも少しゆとりができたので、趣味に近い感覚でミリタリーアイテムを解体して、手縫いのテディベアを作ってみた。当時はまだブランド名もなく売りものでもなかったけれど、それが最初に作った「レディメイド」。そんな中で「セクスプリメ」の立ち上げメンバーが病気にかかり、ブランドを続けるのが難しくなったので、一人で新しいブランドを立ち上げることにした。13年に「レディメイド」として、テディベアを作ったのと同じ手法でバッグを手作りした。

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