ファッション

米から日本に逆輸入 「レディメイド」のサクセスストーリー

 細川雄太が手掛けるリメイクブランド「レディメイド(READYMADE)」が国内外のストリートを中心に人気を集めている。2013年のブランド設立後すぐに発表した1型のリメイクバッグがアメリカ・ロサンゼルスのセレクトショップ、マックスフィールド(MAXFIELD)で発売されたことをきっかけに、まずはアメリカで知名度を上げた。その後日本にも上陸し、現在原宿のグレイト(GR8)やユナイテッドアローズ&サンズ(UNITED ARROWS & SONS)、リステア(RESTIR)などの有力セレクトショップを中心に、国内外合わせて約60店舗にバッグやウエアを卸している。定番のバッグが約20万円と高価格帯であるにもかかわらず、入荷後即完売するアイテムが続出。ブラッド・ピット(Brad Pitt)やナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)、ラッパーのジェイ・Z(Jay-Z)やトラヴィス・スコット(Travis Scott)などセレブリティーにも愛用者が多く、インスタグラムのフォロワーも6万を越えた。

 11月には「ア ベイシング エイプ(R)(A BATHING APE(R))」「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」「ジャスト ドン(JUST DON)」とコラボレーションしたアイテムを集めたポップアップショップを、原宿のグレイトとベイプストア原宿、大阪のホワイ・アー・ユー・ヒアー?(WHY ARE YOU HERE?)の3店で同時に開いた。グレイトにはオープン前の朝8時から約700人の行列ができ、53万円のダウンジャケットや36万円のバッグなど全商品が即完売。スタッフも「ここまで市場を沸かせられる日本のブランドはなかなかない」と驚く。いかにしてここまで“バズる”ブランドへと成長させてきたのか。「自分はただ周りに助けられているだけ」と謙虚に語る細川デザイナーの成功の秘訣に迫る。

WWDジャパン(以下、WWD):「レディメイド」立ち上げの経緯は?

細川雄太「レディメイド」デザイナー(以下、細川):2004年に立ち上げたメンズブランド「セクスプリメ(S’EXPRIMER)」が毎シーズン一定の売り上げを見込めるようになり、時間にも少しゆとりができたので、趣味に近い感覚で「レディメイド」としてバッグを手作りしてみた。それぐらい最初は軽いノリで始めた。

WWD:なぜリメイクにこだわるのか?

細川:ミリタリーアイテムを解体することで、反戦のメッセージを込めている。あとは「セクスプリメ」の時にやっていたような、1シーズンでデザインが切り替わるサイクルに疲れたから。リメイクはパターンが同じでも1点ずつが異なる。そういうモノ作りがしたくて「レディメイド」を立ち上げた。量産できるアートのような感覚でウエアやバッグを作っている。

WWDジャパン:マックスフィールドが取り扱うことになったのはなぜ?

細川:もともとマックスフィールドに卸してみたいと思っていて、とりあえずLAの友人に初めて作ったバッグの写真を送った。そうすると2、3週間後に本当にマックスフィールドから「取り扱いたい」と返信が届いて、すぐオーナーのところに直接持って行き、正式にOKをもらった。半年間はバッグ1型のみで、売れたら納品するサイクルを繰り返していた。

WWD:その後、なぜアメリカでビジネスを拡大することができた?

細川:ニューヨークで展示会をすることになり、マックスフィールドがお客さんを集めてくれたので営業らしい営業をしないまま順調に取引先が決まっていった。それと立ち上げから約1年後に「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」のヴァージル(・アブロー=クリエイティブ・ディレクター)とコラボレーションしたことも大きい。一緒にバックパックを作った後は世界中に「レディメイド」の名前が広がり、展示会に来てくれるバイヤーも明らかに増えた。

WWD:ブランドを「レディメイド」に一本化した理由は?

細川:会社の事情で「セクスプリメ」と「レディメイド」を両方やめようかと考えていたタイミングで、知人を介して以前からコラボの依頼をしていたヴァージルからOKの返事が届いた。正直迷ったが、周囲からの後押しもあり一緒にバックパックを作ることを決めた。今でも「レディメイド」が続いているのは、彼のおかげだ。

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