ファッション

インターナショナルギャラリー ビームスの2021年春夏  「日常に取り入れる」新たなデザイナーズウエア

 インターナショナルギャラリー ビームス(INTERNATIONAL GALLERY BEAMS)の2021年春夏は、テーマの“eclectic(多種多様)”に「ファッションは個人が思い思いのスタイリングで表現するもの」という想いを込めて、ブランドカルチャーやアイデンティティーを強く感じるアイテムをそろえる。

 片桐恵利佳ディレクターは今季の傾向について「具体的なスタイリング提案はないが、カジュアルでソフトな気心地や雰囲気のアイテムが多い」と説明する。また「夏場の過酷な気候に適した需要と日常に取り入れやすい」ことを念頭に置き買い付けを行った。新規導入ブランドも多い。

 これらを象徴するブランドの1つで、フェミニンとマスキュリンの垣根のない新たなデザイナーズウエアの提案として、イギリスの「ウェールズ ボナー(WALES BONNER)」を導入。従来は、ヨーロッパとブラックカルチャーを掛け合わせたストイックな姿勢のテーラリングを強みとしていたが「良い意味でマイルドになった。彼女のアイデンティティーが強く反映された服はシルエットが美しく、着るとテンション上がる」と絶賛する。ウィメンズのアイテム中心に、メンズコレクションからもグラフィックTシャツやウエアの一部を買い付けた。さらに「ラフ・シモンズ」が2021年春夏にスタートする初のウィメンズコレクションからドレスやジャケット、スウェットなどを豊富なサイズ感で提案する。

 強化アイテムは、サンダルとサマードレスだ。20-21年秋冬に引き続き、足元からのおしゃれを提案していく。サンダルは、古代遺跡の破片や発掘品からインスピレーションを得た「トゥーグッド&ビルケンシュトック(TOOGOOD&BIRKENSTOCK)」で、「靴下を履けば季節を越えて合わせることができるベーシックなデザイン」を買い付けた。「マノロ ブラニク(MANOLO BLAHNIK)」では、「インソールの色などの細かなディテールまで楽しめるデザインをそろえる」という。

 サマーワンピースは、日本では同業態のみで取り扱うルーマニア発のイリーナ・モロサヌ(Irina Morosanu)が手掛ける「レ バカンス ディリーナ(LES VACANCES D'IRINA)」に加え、新規で2005年にスタートし、07年にイタリア版「ヴォーグ」のヤング・デザイナー・タレントの受賞経験もある「サラ ランツィ(SARA LANZI)」や、「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」などで経験を積んだキャロライン・スミッソン(Caroline Smithson)が手掛けるイギリスの「ソーン(SSONE)」などを買い付けた。

 別注アイテムも強化する。「セヤ(SEYA)」の秋まで着用できるポロワンピースや「マリーエレーヌ ドゥ タイヤック(MARIE‐HELENE DE TAILLAC)」のジュエリーなど「各ブランドの持ち味を感じられて、愛用できるアイテムをオーダーした」。

 買い付け量は20-21年秋冬比で約7割に減らした。以前からSKUを絞り余剰在庫を削減する取り組みを行っているが「それが加速したシーズン。本当に届けたい商品をさらに厳選した」。

 デジタル施策では、高価格帯の商品が多い同業態でも、インスタグラムで商品紹介の頻度を増やしたり、商品からECにダイレクトに動線をつないだりする投稿が増えている。ただ「これらを媒介にしながらも、真意は店舗にご来店いただきたいし、可能であれば会話も楽しんでもらいたい。ECでは体験できない感覚を得られるはず」と話す。

村上杏理:1986年、北海道生まれ。大学で日本美術史を専攻し、2009年にINFASパブリケーションズ入社。「WWDジャパン」記者として、東京のファッション・ウイークやセレクトショップ、販売員取材などを担当。16年からフリーランスで、ファッションやライフスタイル、アートの記事執筆・カタログなどを手掛ける。1女児の母

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