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命の現場にもステキを求めていいですか? エディターズレター(2020年12月24日配信分)

※この記事は2020年12月24日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

命の現場にもステキを求めていいですか?

 先日OEMメーカーの方から、「今、日本の縫製工場を支えているのは、防護服だ」との話を伺いました。新型コロナウイルスは、第三波の真っ只中。需要が未だ衰えずの防護服は、反対に需要が減少傾向であろう洋服の生産を支えてきた縫製工場にとって大きな存在となりつつあります。私がお話を伺ったOEMメーカーは、生産現場の1ラインで取り組んでいる程度のようですが、卓越した縫製技術を持っている素晴らしい企業です。「ここで生まれる防護服は、どんなにステキなのだろう?」なんて空想してしまいました。リンク3本目の記事の通り、「ルイ・ヴィトン」による防護服は、やっぱりステキでしたからね。

 命に関わる仕事や現場で「ステキ」を求めるなんて、不謹慎でしょうか?なんて思っていた時、セレクトショップからスタイリッシュなメディカルアパレルを手掛けるクラシコに転職した友人に話を聞き、「むしろ、ステキを追い求めるべきだ!」との結論に達しました。

 友人の医師の「ペラペラでクタクタの白衣ではモチベーションが上がらない」という話を聞いた大和新・社長と、銀座のオーダーサルトで働いた大豆生田伸夫・取締役がけん引するクラシコは、デザインと素材、縫製、その全てにこだわった白衣を販売しています。一般の白衣と比べると、その値段はおよそ5、6倍(それでもロング丈の白衣なら2万円台がメーンです)!!でも、着ていてテンションが上がる白衣の売り上げは順調です。「ジェラートピケ」とコラボしたナース服は、総とっかえする医療従事者も多かったとか。あのカーディガンもパステルピンクとパステルブルーが揃います。それを日中、フルメイクの時に颯爽と着こなすナースが多いそうで、「なんてステキ!」と思ったのです。余談ですが、「勝負メディカルアパレル」は、夜勤に着ることは少ないそう(笑)。会う人は少ないし、暗いですからね。みなさん、しっかりしていらっしゃいます。

 美容室や理容室のイスのほか分娩台なども手掛けるタカラベルモントは、「分娩台はもちろん、その空間を美しくすることで人生100年時代、まさに生まれた時から美しく生きるお手伝いができる」と話していました。クラシコのメディカルウエアにも、同様の機能があるかもしれません。ステキなメディカルアパレルの医者やナースが働く病院は、それもまた美しき生きるひと時を支えてくれることでしょう。タカラベルモントがプロデュースした空間で、クラシコのメディカルアパレルを着た医者やナースが働く病院ーー。想像するだけで、通い続けたくなります。ぜひ引き合わせたい!

 いや病院なんだから、健康なら通うなよ、ってハナシなのですがね(笑)。

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