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セカオワFukaseに聞く、Tシャツに作品プリントのアマゾン新サービスに参画した理由

 アマゾン(AMAZON)の日本法人であるアマゾンジャパンは10月21日、アメリカやイギリス、ドイツで先行スタートしたオンデマンドのプリントサービス「マーチ バイ アマゾン(以下、マーチ)」を日本でも開始した。「マーチ」は、ブランドや作品のクリエイターがオリジナルの作品をアップロードし、Amazonがプリントして消費者に届けるオンデマンド・サービス。クリエイターにとっては先行費用や投資、在庫管理が不要ながら、サービスを先行展開している欧米にも作品提供が可能だ。アマゾンは、半袖・長袖のTシャツとトレーナー、パーカなどに作品をプリント。注文に応じてクリエイターにロイヤリティーを支払う。日本では、SEKAI NO OWARIで音楽活動を行うほか、架空の5人組バンドを通して世の中を風刺的に描くアニメーション「バッド ムード(BAD MOOD)」のデザイナーでありクリエイターを務めるFukaseら6人が作品提供を開始した(当面、アーティストの登録は招待制)。アマゾンジャパンはFukaseを起用した理由について、「鋭い感性と才能で幅広い活動をしている。特にファッションは独自のスタイルが評価されており、新しいトレンドを作る存在」とコメント。Fukaseによる「バッド ムード」は同月、アマゾンプライムでのアニメ放映も始まった。Fukaseに「マーチ」や「バッド ムード」について話を聞いた。

WWD:今回「マーチ」のサービスを利用して、「バッド ムード」のアパレル展開をスタートした理由は?

Fukase:「バッド ムード」のアニメ放映がアマゾンプライムで始まることが大きかった。「バッド ムード」は僕の落書きからスタートした、アニメ主軸のプロジェクト。ファッションに広げるときも、キャラをプリントするだけの“二番煎じ”にはしたくなかった。自分でストーリーも考えるアニメを起点に、いろんなキャラクターをファッションで表現したい。その上で「アット トウキョウ(AT TOKYO)」などのプログラムで尖ったブランドと協業してきたアマゾンが魅力的だった。

WWD:そもそも「バッド ムード」にこれだけ注力する理由は?

Fukuse:各回18分間のストーリーの大枠を考えるのは、正直に言えば簡単じゃない(笑)。ただ、自分のメッセージや言葉は独特。外部の脚本家に委ねると、個性が失われてしまう。自分が生み出したものだから、逃れられないし、頑張ればいいって思っている。毎回のストーリーは、結構切り込んでいる。「バッド ムード」で社会の一部を切り取っている感覚だ。さまざまな社会問題は勉強しているが、意志・意見があるストーリーだから、批判はある程度覚悟している。

WWD:「マーチ」のサービスで、どんな洋服を世界に届けたい?SEKAI NO OWARIのツアーグッズとは何が違う?

Fukase:バンドのグッズのようなものは、望んでいない。バンドや僕は知らなくても、アマゾンプライムで放映が始まった「バッド ムード」のキャラクターが可愛いと思って、洋服を買ってくれたら嬉しい。その逆もあると思う。目指すのは、「グッズ」ではなく「ファッション」。だから改めてキャラデザインは描きなおし、ロゴの配置なども再検討した、ファッションから離れすぎず、「バッド ムード」で伝えたいストーリーを補うような存在になれば。

WWD:普段のファッションは?衣装に着替える時などには洋服の「力」を感じる?

Fukase:私服は、割とこんな風にカジュアル。一方のステージ衣装は、ピチッとしたものが多い。ステージ衣装に着替えると、集中力が高まるのがわかる。

WWD:今後、「バッド ムード」で挑戦したいことは?

Fukase:本当はオフラインのイベントを開きたかった。引き続き、エンタメ性の高いイベントを考えたい。「コンプレックスコン(ComplexCon)」に行った時、エンタメ性の高い複合イベントのあり方に感動した。音楽はもちろん講義形式のエデュケーションも含め、俗っぽくないのに入りやすい。「バッド ムード」で、そんなイベントを開いてみたい。

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