ファッション

新型コロナウイルス感染で81歳で死去 デザイナー髙田賢三の軌跡

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 「ケンゾー(KENZO)」の創業者でもある髙田賢三氏が4日、新型コロナウイルスの合併症により、パリ郊外のヌイイ=シュル=セーヌにあるアメリカン・ホスピタルで死去した。81歳だった。ビッグシルエットのスカートやルーズで自由なルック、独自の鮮やかな色使い、華やかなプリントなどでパリを魅了し、フランスで最も愛された日本人デザイナーの一人だった。(この記事はWWDジャパン2020年10月12日号からの抜粋です)

 髙田賢三は1939年2月27日、兵庫県姫路市で旅館を経営する両親の元に生まれた。子ども時代を送った第二次世界大戦直後は娯楽がほとんどなく、雑誌を見ることだけが楽しみだった。「私は姉が持っていた雑誌を通じてファッションに強い興味を抱き、やがてパリかニューヨークに行きたいと思うようになった」という。しかし当時は男性が洋裁を学べる学校がなかったことから、神戸市外国語大学に進学。後に文化服装学院が男子生徒を受け入れるようになったため、両親の反対を押し切って大学を中退して同校に入学する。同級生にコシノジュンコ、「ニコル(NICOLE)」の松田光弘、「ピンクハウス(PINK HOUSE)」の金子功らがいたため、“花の9期生”と呼ばれた。

 「あまりにも突然の訃報で驚き悲しんでいます。世界のKENZOとして皆に愛された『ケンチャン』。私にとって学生時代の出会いから今まで思い出いっぱいつまった時間を共有できた最愛の親友でした」とコシノジュンコ。「優しくてナイーブな金子さん、みんなのまとめ役的な松田さん、金ぶちメガネで金ボタンのつめ襟学生服の賢三さん。私たちくらい仲がよく、お互いにライバル意識を燃やしたグループは、世界中どこを探してもないんじゃないかしら」と振り返る。

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