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米紳士服テイラード・ブランズも経営破綻 スーツ離れとコロナ禍で資金難に

 米紳士服チェーン「メンズ・ウエアハウス(MEN’S WEARHOUSE)」「ムアーズ(MOORES)」「ジョス・エー・バンク(JOS A. BANK)」などを展開するテイラード・ブランズ(TAILORED BRANDS)は8月2日、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用をテキサス州の破産裁判所に申請した。

 同社の傘下ブランドはスーツが主力商品であるため、オフィスファッションのカジュアル化によるスーツ離れを背景に近年は業績が低迷していた。そこに新型コロナウイルスの影響で店舗の休業を余儀なくされたことが追い打ちをかけた。また2014年に「ジョス・エー・バンク」を18億ドル(約1908億円)で買収した際の負債も経営に重くのしかかっていた。

 破産法の適用申請に当たって、同社は再建支援策への同意を主な債権者の75%以上から得ている。これにより、少なくとも6億3000万ドル(約667億円)の債務が削減できる見込みだ。また既存の貸し手から5億ドル(約530億円)のDIP融資(倒産手続きに入っている企業に対する新規融資)も確保しているという。

 同社の20年1月通期決算は、売上高が前期比4.1%減の28億8126万ドル(約3054億円)、純損益は前期の8324万ドル(約88億円)の黒字から8227万ドル(約87億円)の赤字となっている。ただしこれには非継続事業の損失が計上されており、継続事業のみの純利益は同74.2%減の2536万ドル(約26億円)となっている。

 また20年2〜4月期(第1四半期)で見ると、売上高が前年同期比60.4%減の2億8670万ドル(約303億円)、純損益が前期の714万ドル(約7億5684万円)の黒字から、2億6988万ドル(約286億円)の赤字に転落した。この時点で同社の手元資金は2億4420万(約258億円)で、債務はおよそ14億ドル(約1484億円)だった。

 手元資金に余裕がないことから、同社は7月1日が期日だった610万ドル(約6億4660万円)の利子が支払えず、経営破綻するのではないかとの臆測が広まっていた。なお同社は米国とカナダで運営するおよそ1400店のうち最大500店を閉鎖し、20%の人員削減を行うことを7月中旬に発表している。

 アパレルおよび小売業界では、新型コロナウイルスの影響による経営破綻が相次いでいる。5月には米百貨店ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)やバーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)を運営するニーマン・マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP)、米百貨店のJ.C.ペニー(J.C.PENNY)、J.クルー グループ(J.CREW GROUP)が、7月には米ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)と、「アン テイラー(ANN TAYLOR)」や「レーン ブライアント(LANE BRYANT)」などを展開する米アパレルチェーンのアセナ・リテール・グループ(ASCENA RETAIL GROUP)が破綻している。また8月2日には、米老舗百貨店チェーンのロード&テイラー(LORD & TAYLOR)と、その親会社である新興ファッションテック企業ル・トート(LE TOTE)が経営破綻を発表したばかりだ。

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