米高級百貨店の運営および店舗の土地開発など不動産業を行うサックス・グローバル(SAKS GLOBAL)は1月13日夜(現地時間)、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用を申請した。ECとの競争激化やインフレの長期化による百貨店離れ、競合の買収費用が重くのしかかったことによる資金繰りの悪化が主な要因。海外メディアの報道によれば、2025年12月30日が期限だった1億ドル(約158億円)の利払いの滞りが今回の申請の直接的な理由だという。なお、同社は債券保有者らから17億5000万ドル(約2765億円)の資金を確保しており、営業を継続しながら事業再建を目指す。
サックス・グローバルの成り立ち
サックス・グローバルは、米百貨店サックス・フィフス・アベニュー(SAKS FITH AVENUE)などを擁するカナダの小売り大手ハドソンズ・ベイ・カンパニー(HUDSON'S BAY COMPANY以下、HBC)が2024年7月、米百貨店ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)やバーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)を運営するニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP以下、NMG)を26億5000万ドル(約4187億円)で買収した後に設立した新会社。HBCを率いるリチャード・ベーカー(Richard Baker)会長兼最高経営責任者(CEO)がエグゼクティブ・チェアマンに、CEOにはマーク・メトリック(Marc Metrick)=サックス・フィフス・アベニューCEOが就任した。
ベーカー=エグゼクティブ・チェアマンは当時、サックス・グローバルは年商100億ドル(約1兆5800億円)規模になる見込みで、内訳はサックス・フィフス・アベニューが60億ドル(約9480億円)、ニーマン・マーカスは40億ドル(約6320億円)と語っていた。
しかし、前述の理由により資金繰りに苦戦。取引先への支払いも滞るようになり、ここ数カ月は同社がいつ破産法第11条を申請するのかが注目されていた。なお、事業の立て直しを探る中でメトリックCEOが退任したため、ベーカー=エグゼクティブ・チェアマンがCEOも兼任していたが、今回の申請を機に同氏も退任。買収以前にNMGのトップだったジェフロイ・ヴァン・ラムドンク(Geoffroy van Raemdonck)前CEOがサックス・グローバルのCEOに就任し、今後の裁判手続きや債権団との交渉、事業再建などを率いる。
債権者はシャネルやケリング、リシュモンなど
裁判所に提出された文書によれば、サックス・グローバルに対する無担保債権者および金額は、シャネル(CHANEL)が1億3600万ドル(約214億円)、ケリング(KERING)が5990万ドル(約94億円)、カプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS)が3330万ドル(約52億円)、メイフーラ(MAYHOOLA)が3320万ドル(約52億円)、コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)が3000万ドル(約47億円)などとなっている。