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英語が喋れる優位性ではなく、喋れない劣位性を感じるのです エディターズレターバックナンバー

※この記事は2020年2月25日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

英語が喋れる優位性ではなく、喋れない劣位性を感じるのです

 このメルマガでは結構ざっくばらんにお話していますが、それでも「炎上しそうだから、黙っておこう」と思っているコトが2つあります。が、今日はそのうち1つを、いよいよ「お話しなければ」と覚悟し、勇気を振り絞って宣言したいと思います。もう1つは、まだしばらく封印です(笑)。

 英語、やっぱりできないとキツいかもしれません。

 僕自身も完璧ではありません。RIZAP ENGLISHとスタートした英会話番組では、発音や単語の使い方をネイティブに指摘され“お蔵入り”になった回もありますし(苦笑)、年々衰えていることも痛感します。「もう一度、奮起しなければ」と思っているところで、まずはポッドキャスト(PODCAST)でNHK WORLDの英語ニュースと、The BOFの番組を視聴し始めました。だからこそ、「やっぱり、一緒に頑張りましょう!!」と、皆さんをお誘いしたい。Let’s Startです。

 そう思ったのは今回のミラノ出張で、2つの出来事があったからです。最初は、某ラグジュアリー・ブランドの最高経営責任者&PRディレクターとのブレックファースト・ミーティングのお話。僕と日本のPRと4人で英語で話している時、2人が「日本の雑誌編集者の皆さんは、本当に英語が話せないから。結局、英語ができないと世界とはコミュニケーションできないのに」と(文字通り)眉を潜めたのです。「あぁ、やっぱり皆さん『やりづらい』って思っているんだなぁ」と痛感しました。大人の本音と建前、社交辞令を垣間見た気がします。

 そして、いよいよ「英語、もう一度頑張ろう!!」と思ったのは、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル・アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」や「マルセロ・ブロン カウンティ・オブ・ミラン(MARCELO BURLON COUNTY OF MILAN)」などを束ね、最近は「アンブッシュ(AMBUSH)」や「オープニングセレモニー」も取り込んだニューガーズ グループ(NEW GUARDS GROUP)のトップ、ダヴィデ・ドゥ・ジーリオ(Davide De Giglio)創業者兼最高経営責任者を取材した時(そのインタビューは、3月最初の「WWDジャパン」でドカンと掲載します!メチャクチャ、面白かったです!!)、彼から、「スマホ世代は、幼い頃からみんな英語でコミュニケーションしてる。 僕の子ども世代は、ずっと早くからSNSで英語に触れ、結果、コミュニケーションできるようになっている」と言われたのです。

 確かに、です。SNSのおかげで世界はずっと小さくなって、国際交流はデジタルネイティブにとって当たり前になっています。そしてこの状況は、不可逆的。英語ができない人は、世界から、そして若い世代から置き去りにされてしまうのかもしれません。時を駆ける企業のトップの言葉には、説得力があります。

 「英語ができなくても、コミュニケーションはできる」。その通りだと思います。ただ一方で僕の場合は、「英語ができるから会食の時、本国スタッフの隣に座れる」「英語ができるから、本国との仕事を一手に任せられる」も事実。逆を言えば、「英語ができないと会食の時、本国スタッフの隣に座れず交流できない」「英語ができないと、本国との仕事を任せられない」のです。最近は英語が喋れることの優位性よりむしろ、英語が喋れないことに対する劣位性を感じています。

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