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コロナショックでお守りジュエリーが人気? ヒーラーが天然石の個性を読む「ラミエ」のリング

 US版の「WWD」に、面白い記事が出ていました。タイトルは「コロナショックでお守りジュエリーが人気」。内容をかいつまむと、「先行き不透明な状況下で、愛や友情の証やお守りのようなジュエリーに消費者はますますひかれるようになっている。小売業は現在末期的な状態だが、ジュエリーの売れ行きはそれに逆行している」といったものです。たとえば、「シドニー エヴァン(SYDNEY EVAN)」というジュエリーブランドでは、四つ葉のクローバーやイーブルアイ(中東などで信仰されている魔除けの目)などのラッキーチャームシリーズの売れ行きが過去2カ月で伸びているそう。「ロクサーヌ アスリーヌ(Roxanne Assoulin)」の、アルファベット入りビーズで、ポジティブなメッセージをつづったブレスレットも好評ということでした。

 そんな記事を斜め読みしつつ思い出したのが、中村恵美さんがデザインする「ラミエ(LAMIE)」というブランドのこと。中目黒の高架下にお店のあるジュエリーブランドです。コロナショックに至る前、春先に出掛けた展示会で出合ったブランドですが、そこの天然石のリングが、まさにお守りジュエリーのニーズにバッチリはまりそうなアイテムでした。アメジストやオパール、シトリン、ルビーなど、天然石そのものの形を生かし、ゴールドの地金にセッティングしているリングで、価格は3万~5万円台が中心。

 そう聞くと、「そういうリング、よくあるよね?」と思われる方も多そうですが、ここのリングは「ヒーラーに1つ1つ石を見てもらって、その石の個性を聞いている」(中村さん)という点が特徴。それぞれのリングに、「人との新しいつながりを作る」「傷を癒す」「人の役に立つ」「より自然体で過ごせる」といった石の個性の説明が付いています。人によっては「オカルトめいている、インチキっぽい」と感じるかもしれませんが、「絶対その願いがかなう」とうたっているものではありませんので悪しからず。とは言えジュエリーって、身に着けているうちに自然とその人だけの意味を持つようになって、ゲン担ぎにもなったりするものなので、こういう提案の仕方も面白いなと思いまして。

 誕生月や星座別に意味の込められたジュエリーも最近多いですが(そして昨今はやりの“パーソナライズ”需要でそういった商品はよく売れると聞きますが)、それらは誕生月や星座が同じ人ならみんな意味は同じ。一方、「ラミエ」のリングはたとえ石の種類が同じルビーであっても、個体によって一つ一つ意味が違うのがポイント。購入するときは純粋に石の色や形で好みのものを選ぶのもいいですし、石の持つ意味から決めるお客さんもいるそう。

 たまにパワーストーンなどの広告に、「恋愛成就」「金運が上がる」といった欲望丸出しな文字が躍っているケースがありますが、「ラミエ」はそういったものに比べると一歩引いているというか、客観的な感じの意味の石が多かった点にも好感を持ちました。先ほどあげた「人の役に立つ」もそうですし、あとは「スッキリできる、整理整頓できる」みたいな意味とかも。こちらはまさに今、室内の断捨離や人間関係の断捨離をしたいと思っている人にいいのかもしれません(笑)。

 というようにご紹介してきましたが、正直なところ冒頭で紹介したUS版「WWD」のような、「コロナショックでお守りジュエリーが人気」といった傾向は日本の市場では今のところあまり耳にしておりません。しかし、今後も先行き不透明な状況が続くのであれば、そういったニーズも徐々に目立ってくるのかも(こないのかも)。また、コロナショックとは関係なく、パーソナライズは今やジュエリー消費の外せないキーワードの一つなので、「ラミエ」のような提案は面白いし、好きな方も多いのではないかな、と思った次第です。