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エルメス、20年1〜3月期は売上高6%減 日本は増収

 エルメス・インターナショナル(HERMES INTERNATIONAL以下、エルメス)の2020年1〜3月期(第1四半期)決算は、売上高が前年同期比6.4%減の15億550万ユーロ(約1761億円)だった。

 ライバルであるLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)が同15.4%減、ケリング(KERING)が同15.3%減だったことを考えると、新型コロナウイルスの影響による危機的な状況の中でもエルメスの強さは際立っているといえるだろう。

 同社のカテゴリー別での売上高は、レザーグッズが同4.5%減の7億7110万ユーロ(約902億円)、衣料・アクセサリーが同9.5%減の3億2580万ユーロ(約381億円)、シルク・テキスタイルは同18.0%減の1億1500万ユーロ(約134億円)、香水は同2.9%減の8210万ユーロ(約96億円)、ウオッチは同5.5%減の4100万ユーロ(約47億円)だった。その他事業は同5.3%増の1億2290万ユーロ(約143億円)と業績を伸ばしたが、これはジュエリーの売り上げが好調だったことによる。

 地域別での売上高は、フランスが同8.6%減の1億6890万ユーロ(約197億円)、フランス以外のヨーロッパは同10.2%減の2億3470万ユーロ(約274億円)、南北アメリカは同4.1%減の2億5850万ユーロ(約302億円)、日本は同4.6%増の2億1360万ユーロ(約249億円)、日本以外のアジア太平洋地域は同8.3%減の6億90万ユーロ(約703億円)と、日本のみ増収だった。ただし為替の影響も大きく、現地通貨ベースで見ると日本は同0.6%増だった。

 アクセル・デュマ(Axel Dumas)最高経営責任者は、「当社には優れたクラフツマンシップに基づいた強固なビジネスモデルと、魅力的な製品がある。全ての従業員が尽力してくれており、この難局を乗り越えられると確信している」と語った。

 ヨーロッパとアメリカでは店舗の休業措置が続いているが、中国と韓国では営業を再開している。中国広州市の旗艦店が4月11日に移転オープンした際にはレザーグッズや家具などが飛ぶように売れ、当日の売り上げは少なくとも1900万元(約2億8500万円)に上り、中国国内の店舗における1日の売上高としては過去最高となったという。

 フランス国内の生産工場や物流拠点の一部も4月14日から操業を再開している。エルメスは世界でおよそ1万5500人の従業員を抱えているが、政府の支援策に頼ることなく全員に基本給の支払いを続けている。またアパレル業界ではサプライヤーへの支払い遅延が広く問題になっているが、同社は予定通りに支払うことを発表した。同社はもともと法律で定められている支払い期日より早く支払っているほか、プロジェクトの開始時点で前払いをすることも多いという。

 経営陣の報酬については、基本報酬と変動報酬(業績に連動した報酬)のいずれも値上げを見送ったため、昨年度と同水準の額となる。また配当金は、当初の5ユーロ(約585円)から4.55ユーロ(約532円)へとやや引き下げる。

 同社は今後の展望について、「事態がいつ収束するのかが分からないため、第2四半期の売上高が大きな影響を受けることは避けられないだろう。しかし長期的な開発戦略に変更はなく、中期的には事業のさらなる成長を見込んでいる」とコメントした。

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