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アダストリア20年2月期は値引き抑制で営業利益79%増 コロナ禍で3月の既存店売上高は24%減

 アダストリアの2020年2月期連結業績は、売上高が前期比0.1%減の2223億円、営業利益が同79.2%増の128億円、純利益が同63.6%増の63億円だった。「しばらく苦戦していた『グローバルワーク(GLOBAL WORK)』『ローリーズファーム(LAWRY’S FARM)』など基幹ブランドの復調が確実なものになった」(金銅雅之取締役)ことで、値引き販売が減少し粗利率が1.6ポイント改善。あわせて、不採算店舗撤退による家賃減などで販売管理費も圧縮し、大幅増益となった。

 売上高が微減となったのは、不採算店撤退による実店舗数減や、システムの不具合で自社EC「ドットエスティ(.st)」が19年8月8日~9月12日に休止していたことが響いたもの。ただし、前年度苦戦した3~5月が改善したことで貯金が積み上がり、暖冬、増税といった厳しい状況下でも単体の通期国内既存店売上高は同1.0%増となった。単体の店舗の純減数は33。「不採算店の撤退はこの2年で決着した。今後は出店に重きを置く」という。海外事業でも、香港、中国で不採算店を閉鎖したことで赤字幅が改善している。

 他社ECモールを含む国内EC売上高は、同7.6%増の436億円だった。国内売り上げに占めるECの割合は20.5%。会員数1000万人を超えた「ドットエスティ」のみでは9.8%。EC売り上げが2ケタ増といった企業もある中ではやや成長が鈍いようにも感じられるが、「そもそも絶対額が大きいので鈍いとは思っていない」。20年秋には「ドットエスティ」でオムニチャネルサービスを開始する。

 同時に発表した3月の単体の既存店売上高は前年同月比24.2%減で、東日本大震災が起きた11年3月の同21.4%減を超える落ち込みとなった。月を通し、国内店舗の約9割で1~2時間の営業短縮を実施。28、29日の週末は、関東地区の277店を臨時休業したことが響いた。一方でEC売上高は同10%増と好調。「1月に渋谷の本社ショールーム内にEC撮影スタジオを移設したことで、ブランド事業部のメンバーが臨機応変にECでコンテンツを発信できるようになった。(コロナショックで消費マインドが減退し、割引きクーポンの発効などだけでは売り上げに直結しづらくなっている中で)店頭スタッフとお客さまが直接つながることができるEC内の機能“スタッフボード”も、さらに強化していきたい」。

 コロナショックで先行きが見通せないことから、21年2月期の連結業績予想は未定。21年2月期を最終年度とする中計で掲げたゴールも一旦取り下げる。