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なぜ盛り上がらない?「増税前の駆け込み需要」 エディターズレターバックナンバー

※この記事は2019年8月29日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

なぜ盛り上がらない?「増税前の駆け込み需要」

 フランス・ビアリッツで開かれたG7に合わせて、ケリングなどのラグジュアリーからファストファッションまで、メーカーから小売りまで、欧米からアジアまで、さまざまな企業が地球の温暖化阻止、生物多様性の復元、そして海洋保護などについて考え・行動することを策定した「ファッション協定」が発表されました。さすがはモードの都、パリ。ファッション産業が、どれだけ国の中心にあるのか、を伺わせます。

  「サステイナブルって大事!」なんて、今さら声高に主張したところで「わかってるよ!」と返されてしまいそうですが、この半年で自分を含む世間一般の、環境に対する関心、いや危機意識は確実に高まった気がします。特にこの夏、終わらない梅雨、直後の酷暑、新幹線まで計画運休させた台風、月末の局地的ゲリラ豪雨とドラスティックすぎる気候を体験し、加えて「地球の肺」とも呼ばれるアマゾンの森林火災の衝撃的ニュースを目の当たりにして“終わりの始まり”的なモノを感じた方は、少なくないでしょう。

 かく言う私も、その一人です。振り返るとこの夏は自分の中で、①エコバッグを忘れたときは、買い物をしない②マグロを食べる時、いよいよ“罪の意識”を感じるようになった、などの変化が生まれたように思います。きっと皆さんの中にも、小さな変化が生まれていることでしょう。

 そんな変化も手伝っているのでしょうか?消費税の増税までいよいよ残りわずかとなりましたが、駆け込み消費がイマイチ活発でないように思います。特に2014年には駆け込み需要でバカ売れした高級時計の世界さえ、その動きはびっくりするほど穏やかです。たかだか2%だから?2極化が進む中で富裕層にとっては微々たる差額だから?「H&M」のように増税分を吸収するブランドも多いから?それらもまた理由の1つでしょうが、「駆け込み消費」が、こんな地球で生きる人間にとって「賢い消費」ではない、と見なされている可能性も捨てきれません。生活情報番組を見ていても、「日用品の“駆け込み”は、増税後の還元セールをうまく利用できれば、あんまり意味がありません」と諭しているように思います。確かに、鼻息荒く、トイレットペーパーを大量買いして、セーブできたのは数十円!!って、「賢い」とか「スマート」とは違うかもしれませんものね。

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