ビューティ

大企業も参入のカスタマイズ商品、もはや悩みも分からない ファッションフリークOL「WWDビューティ」につぶやく

 1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDビューティ」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かした「このニュースからはコレが見える」という切り口で、さまざまな記事につぶやきを添えます。

今日のニュース:P.4『カスタマイズシャンプー「ラックス ビューティーiD」誕生』

読み解きポイント:「自分の悩み、スパッと答えられる?」

ニュースのポイント

 ユニリーバ・ジャパンが展開する「ラックス(LUX)」が、3月23日に新シリーズ「ラックス ビューティー iD」を発売する。なりたい髪の仕上がりに合わせてシャンプー(1種)、トリートメント(3種)、エッセンス(3種)を選び、合計9通りから組み合わせることができる。消費者ニーズが多様化し情報が溢れる中、「その時々の悩みに応えるヘアケアをより簡単に手に入れたい」という声を受けて誕生した。

Azuはこう読む!

 最近何かとアツい「カスタマイズ」系アイテム。今年はじめに6億円の資金を調達し話題を呼んだほか先月渋谷ヒカリエにも出店して勢いが止まらないパーソナライズヘアケアブランド「メデュラ(MEDULLA)」や、日本初のカスタマイズサプリやフェイスマスクを販売する「フジミ(FUJIMI)」など、ビューティテックのスタートアップ企業を中心に盛り上がっています。

 みなさん、カスタマイズやパーソナライズ商品って使ったことありますか?わたしは上記のどちらもメディア提供でいただいたので使ったことがあるのですが、「わたしのために作ってくれる」という特別感はたまりません。オンライン診断が受けられるサイトはどちらもおしゃれで可愛く、設問もそこまで多くないので気疲れしません。届くパッケージも可愛いし、(残念ながら私の部屋はそうでは無いのですが……)おしゃれな部屋においても全く違和感のない洗練されたプロダクトは、写真映えも抜群。もちろん市販のシャンプーと比べれば値段こそ高いものの、一連の体験を考えるとサブスクリプションで継続しようと思うのも納得です。

 一方ニュースの通り、こうしたスタートアップだけではなくユニリーバといった大企業も「カスタマイズ」に参入し始めています。前者と違い何万通りから自分だけの商品が作れるわけではありませんが、今までのラインナップでありがちだった「さらさら」「しっとり」の2ラインだけではなく、縦横無尽にシャンプー、トリートメント、エッセンスを組み合わせて選べるのがポイント。オンライン診断のサポートもありますが、9通りくらいなら店頭でも自分でサクッと決められそうだし、何より実店舗で試せるのが強みだと思います。

 ただ、次第にカスタマイズ商品が増える中、悩むこともあります。それは「自分が何に悩んで困っているのか分からなくなってきた」と言うこと。“悩みのゲシュタルト崩壊(編集部注:文字や図形などを持続的に注視し続けることで全体的な形態の印象、認知が低下してしまう知覚現象)”とでも言うのでしょうか、ちょっと違うかな(笑)。髪だったらなりたい髪質が「しっとり」なのか「つやつや」なのか、悩んでいるのは「パサつき」なのか「まとまりのなさ」なのか、肌だったら求めるのは「透明感」なのか「白さ」なのか、悩みは「乾燥」なのか「脂性肌」なのか……もう言っちゃえば全部だ!となるんです。わがままですね(笑)。

 もはや自分の悩みを考えるのもだるいので、誰かに現状をズバッと指摘してもらってその通りに買った方が楽なのかもしれない。怠惰な人間になってしまった……と、書いてて思ったのですが、それって普通に店頭でプロの販売員さんにオススメしてもらいたいって話ですよね。思わぬところで原点回帰してしまった!

 余談ですが、パーソナライズ・カスタマイズの話になると必ず出てくる「組み合わせ」の話。数学で組み合わせの問題大好きだったなぁ、と思いながら「◯万通りのカスタムができる」という謳い文句に「一体どれだけ掛け算すればいいんだろう!」と胸を踊らせています(笑)。

Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne

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