ビジネス

AI活用で在庫問題を解決するサービス 「フルカイテン」が1.7億円の資金調達

 独自開発のAI(人工知能)で販売予測を行うSaaS型(クラウド)サービス「フルカイテン(FULL KAITEN)」を開発・提供するフルカイテン(大阪、瀬川直寛・代表取締役)は、大和企業投資や京銀リース・キャピタル、みずほキャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施し、1億7000万円の資金調達を実施した。加えて、みずほ銀行からも融資を受け、事業資金を積み増した。2017年5月、18年6月に続いて3度目の増資となる。調達した資金は人材採用と開発体制の強化に充て、サービス開発と普及のスピードアップを図る。

 フルカイテンは17年にサービスのバージョン1.0をローンチ。もともとはベビー服のEC販売事業を手掛けていた瀬川代表が、在庫の問題から3度の倒産危機を経て、サービスを構想し、自ら開発した。AIによって在庫を自動で分類することが特徴で、商品のSKUごとに「何月何日に何個売れた」「売価はいくらだった」「その際の在庫はどの程度あった」といった販売・在庫データを分析。そのデータをもとに、今後の売れ行きを予測し、労せずして全て売り切れる“フル回転在庫”、値下げなどの施策なしには売ることができない“不良在庫”、その中間である“過剰在庫”の3つに分類する。現在はバージョン2.0にアップデートしたサービスを提供しており、アパレル関連企業では「アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)」を運営するドームやジュン、フェリシモ、アシックスジャパンなどに導入されている。

 今回の資金調達に当たり、大和企業投資の後藤聴武・国内投資運用第一部長は「フルカイテンとは17年のシードラウンドからファーストかつリードインベスターとして歩んできた。流通業界の在庫問題は根が深く、フルカイテンは社会に広く求められるツールだと確信している。瀬川代表は当初手掛けていた小売り事業で在庫問題が原因で3度も倒産危機に瀕し、乗り越えてきた。そうした課題解決の実体験と統計学の素養を持つ人が生み出したからこそ、フルカイテンには説得力があると感じている」とコメントしている。

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