
石川と福井、新潟などの北陸は、世界屈指の合繊テキスタイル産地だ。新興国の台頭で日本の多くの繊維産地が急速に力を失う中、北陸産地から生み出される合繊テキスタイルは今なお世界のスポーツブランドから高い評価を受ける。その北陸産地で高い存在感を誇るのが蝶理の繊維原料部だ。蝶理の2人に案内され石川の繊維企業を訪ね歩いた。(この記事は「WWDJAPAN」2026年6月29日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
案内人

❶ 8:00 出発
金沢市昭和町16-1

スタートは金沢駅前にある蝶理北陸支店。榊敏也・繊維原料部課長と高光貴帆さんの2人の案内の下、石川県全域を北と南に移動する「繊維紀行」がスタート。移動車中でも、北陸だけでなく日本全国の繊維やテキスタイル工場の話を聞いた。
❷ 9:00 シモムラ
小松市南浅井町イ101-5
創業24年で年商50億円 信頼で継承する
「現代版繊維ベンチャー」
原糸の加工・販売と織物製造・販売を手掛けるシモムラは2002年設立。1960年代の繊維産業が盛んな時期の創業が多い北陸の繊維業界の中で、比較的新しい会社の一つだが、設立から24年で年商は50億円弱にまで成長した。西山恵太専務は、高校を卒業後、半年間の自衛隊勤務を経て、04年にシモムラに入社した。入社当時は創業者である父と事務員の3人きりの会社で、主に石川県を中心に糸を販売していた。大きな転機は2014年。新潟の名門テキスタイルメーカーで、当時経営再建中だった鈴倉インダストリーの撚糸部門を譲受。当時、自社の設備を所有していないシモムラにとって、月産100トンの生産能力を持つ撚糸設備を抱えることは大きな冒険だった。「身の丈を超えていたので売り先を見つけるため、それまで付き合いのあった織物工場や商社を必死で回った。蝶理さんをはじめ、いくつもの企業から『やるんだったら応援するよ』、と」。同社はその後、鈴倉インダストリーの織物部門も譲受し、昨年10月には帝人フロンティア傘下の帝人フロンティアDG(現DG)も譲受した。「ベンチャースピリットでガンガン事業を拡大している、というわけではなく、知人や取引を介して相談に乗っているうちに結果として工場や事業を譲受したという形だ」。北陸産地企業ならではの絆と信頼が生み出した、新しいタイプのベンチャー企業なのだ。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
