右/Tullio Farabola, Pier Paolo Pasolini a Roma, 1960 © Archivi Farabola
作家であり、映画監督であり、劇作家でもあった三島由紀夫 (Yukio Mishima)とピエル・パオロ・パゾリーニ(Pier Paolo Pasolini)。20世紀を代表するもっとも複雑な二人の人物像を新たな視点から見つめ直す展示「三島由紀夫 ― ピエル・パオロ・パゾリーニ 対峙の手がかり 沈黙せず、目をそらさずに」がイタリア文化会館で開催中だ。
イタリアと日本の国交樹立160周年を記念して企画された本展は、異なる文化的伝統に属していた二人の共通性と差異を探りながら、思想と芸術の軌跡を辿る試み。「肉体、責任、文学、映画、劇場、芸術、社会」という7つのキーワードから、生涯出会うことがなかった二人の人物像を資料とともに紐解く。
本展の企画・立案を担当したマルコ・ミヌッツ(Marco Minuz)はこう語る。「三島とパゾリーニを比較する上で重要となるトピックを選びました。これらの切り口を提示することで、膨大な資料のなかで、二人を対比することができる。パゾリーニのリサーチに関しては私が、三島の展示のキュレーションは三島由紀夫文学館館長の佐藤秀明さんに依頼しました。イタリアには、ローマ、ボローニャ、ポルデノーネの3拠点にパゾリーニの資料館があります。中でも、ポルデノーネは彼の母親の生まれ故郷でもある場所。パゾリーニの人生と作品を理解する上では、彼と母親の関係を深堀りするという作業が、とても重要な側面を担います。『ボディ』というセクションではパゾリーニによる詩『母への嘆願(Supplica a mia madre)』も展示しています。三島とパゾリーニの接点について考えた時、一言で言うならば“勇敢“だったと言えるでしょう。共に仮面を被らない勇者だったように感じます」
さまざまな側面から2人の生き様に光を当て、現代社会への考察を導く同展。篠山紀信をはじめ、土門拳、フェデリコ・ガロッラ、サンドロ・ベケッティなどが撮影した、三島とパゾリーニの肖像、身体、仕草を捉えた貴重な写真郡にも目を奪われる。
■三島由紀夫 ― ピエル・パオロ・パゾリーニ
「対峙の手がかり 沈黙せず、目をそらさずに」
会期:7月2日まで
会場:イタリア文化会館
住所:東京都千代田区九段南2-1-30
開館時間:10:30〜17:30
休館日:日曜
入場料:無料