名門企業のユニチカが経営再建のため祖業の繊維から撤退を発表し、テキスタイル生産ではサプライチェーンの崩壊でリードタイムの長期化が表面化するなど、日本の繊維産業は岐路を迎えている。生き残りを懸けた道のりはどうなるのか。(この記事は「WWDJAPAN」2024年12月30日&25年1月6日合併号からの抜粋です)
素材
記者はこう見る
横山泰明/編集部記者
2024年、印象に残った取材
国内外の有力ブランドにオーガンジーを供給するサンコロナ小田(石川県小松市)の小田外喜夫社長に取材アポを入れると、夕方6時の東京ステーションホテルが指定された。ホテルのラウンジの一角に書類の山と一緒に陣取る小田社長は79歳。朝からびっしり会議を入れ、取材の後はさらに会食に行くという。業界を支えるレジェンドは今なお健在だっだ。
2025年はこんな取材がしたい
丸井織物やカジグループなど、新世代経営者を深掘りしたい。
名門も撤退で構造改革に待ったなし
メード・イン・ジャパンの生き残り策は?
ユニチカは2024年11月、祖業の繊維から撤退すると発表した。同社は10年前から銀行や官民ファンドの金融支援を受け経営再建に取り組んできたものの再び赤字が拡大し、苦戦の続く繊維事業の売却に追い込まれた。9月には三菱ケミカル(旧三菱レイヨン)がトリアセテート素材「ソアロン」をGSIクレオスに売却し、こちらも祖業の繊維事業からの撤退を発表していた。名門企業の相次ぐ繊維事業からの撤退は、かつて世界有数の繊維大国だった日本の繊維産業の凋落を印象付けた。
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