2026年上半期、米国の小売業界に起きた大事件といえば、サックス・グローバル(SAKS GLOBAL)の経営破綻と再生だろう。高級百貨店サックス・フィフス・アベニュー(SAKS FIFTH AVENUE)、ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)、バーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)などを運営する同社は、1月13日に日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用を申請し、投資会社などの先導の下、6月26日に再建手続きを完了。これを機に、社名をエグゼンプラー・ラグジュアリー・グループ(EXEMPLAR LUXURY GROUP以下、ELG)に変更した。多額の債務を抱え、破綻は免れないのではないかと見る専門家も少なくなかったが、主なステークホルダーの支援によってどうにか踏みとどまった格好だ。同社は現在、事業再建に取り組んでいるものの、道のりは険しい。ここでは、同社が陥った危機的状況から得られる5つの教訓をまとめた。
教訓1:仕入れ先は大事にすべし
サックス・グローバルが経営破綻に陥った直接的な原因は資金繰りの悪化による利払いの滞納だが、それに至る前には、取引ブランドへの支払いが滞っていた。関係者の話によれば、未払いが何度も起きたため、警戒したブランド側から納品停止の申し入れが相次ぎ、一時は在庫レベルが危うくなっていたという。米国の百貨店は一般に卸の比重が高いが、サックス・グローバルの広報担当者によれば、同社が擁する百貨店では卸が75%を占めていた。販売するものがなければ、小売店は店じまいをするしかない。基本のキだが、仕入れ先への未払いは絶対に避けるべし。
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